TikTok求人広告とは?費用・出し方と応募が集まる動画構成テンプレ

目次
TikTok求人広告とは、TikTokの「おすすめ」フィードなどに、求人や職場の様子を伝える縦型動画を広告として配信し、採用ページや応募フォームへ誘導する手法です。フォロワーがいない企業でも、動画への反応しだいでまだ接点のない人に届けられる一方、短い動画で伝えるぶん、求人として必要な情報が抜けたり、TikTokの広告ポリシーや日本の法令に触れる表現をしてしまったりしやすい面もあります。
出し方と費用の考え方に加え、自社で再現できる「採用動画の構成テンプレート」と「出稿前チェックリスト」を用意しました。必要なのはバズではなく、「仕事の1日がそのまま伝わる動画」と「応募までの短い導線」です。
01TikTok求人広告とは
TikTokの求人広告は、TikTok広告マネージャーで出稿する通常の運用型広告を、採用の目的で使うものです。求人専用の広告メニューがあるわけではありません。
求人で使われる主な広告の形
| 広告の形 | 内容 | 求人での使い方 |
|---|---|---|
| インフィード広告 | おすすめフィードに表示される基本の動画広告 | 職場紹介や仕事内容の動画で、採用ページに誘導する |
| Spark Ads | 自社アカウントやクリエイターの投稿を、そのまま広告として配信する | 自社アカウントの採用投稿のうち、反応が良かったものを広げる |
| リード生成(インスタントフォーム) | 広告のボタンをタップすると、アプリ内でフォームが表示される | 職場見学やカジュアル面談の申し込みを、アプリ内で受け付ける |
Spark Adsでは、広告経由で得た視聴数やいいね、フォローが元の投稿に計上されます。採用アカウントを育てながら広告を出したい場合に相性の良い形です。
「TikTok採用」との違い
自社アカウントで投稿を続ける取り組みは、一般に「TikTok採用」と呼ばれます。投稿は無料ですが、再生されるかどうかは動画しだいで、狙った時期に狙った地域の人へ届けるのは難しい面があります。広告を組み合わせると、募集の時期に合わせて、通勤できる地域の人へ動画を届けやすくなります。
02TikTokの雇用広告ポリシー(2026年10月30日確認)
TikTokの広告ポリシーで、求人広告に関係する主な内容は次のとおりです。
雇用広告の自己申告は米国・カナダが対象
TikTokの「住宅・雇用・信用(HEC)広告ポリシー」では、フルタイム・パートタイムの仕事、フリーランスや単発の仕事、インターン、就職説明会などを宣伝する広告を雇用広告と定義しています。米国を拠点とする広告主、または米国・カナダをターゲットにする広告主は、特別な広告カテゴリとして自己申告する必要があり、年齢・性別・郵便番号などによるターゲティングが使えなくなります。
このポリシーで対象として挙げられているのは米国とカナダのみです。公式ページでは日本向けの配信の扱いは明記されていないため、出稿前に確認してください。なお、HECポリシーは差別的な広告を禁じる既存のポリシーを補うものとされており、差別的な広告の禁止は日本向けでも変わりません。
求人情報での虚偽は禁止
TikTokの広告主アカウントポリシーでは、許可されない例として「求人情報、商品、またはサービスの宣伝において偽情報を提示すること」が挙げられています。実際と違う給与や仕事内容を見せる広告は、日本の法令だけでなくTikTokのポリシー上も認められません。
モデル・インフルエンサーの募集は不可
TikTokの「その他の製品とサービス」に関するポリシーでは、許可されない例として「モデルやインフルエンサーの募集」が挙げられています。一般の求人とは別の扱いになるため、該当する募集は広告として出せない点に注意してください。
03TikTok求人広告のメリット・デメリット
| 内容 | |
|---|---|
| メリット | フォロワーがいなくても、おすすめフィードを通じてまだ接点のない人に届く |
| メリット | 縦型・音ありの動画で、仕事の手順や職場の空気、働く人の話し方まで伝えられる |
| メリット | 求人サイトを見ていない、転職をまだ考えていない人にも接点を作れる |
| メリット | Spark Adsを使えば、広告の反応が自社アカウントの投稿の実績としても残る |
| デメリット | 広告らしい映像はすぐにスワイプされ、動画の作り方で成果が大きく変わる |
| デメリット | 同じ動画は反応が落ちやすく、継続して動画を作る体制が必要になる |
| デメリット | 細かな条件を文章で伝えにくく、採用ページとの役割分担が欠かせない |
| デメリット | 社員が顔を出すことへの同意や、退職時の動画の扱いを決めておく必要がある |
04向いている職種・工夫が必要な職種
| 判断の観点 | 向いている | 工夫が必要 |
|---|---|---|
| 仕事の見せやすさ | 作業や接客の様子を映せる(飲食、販売、美容、建設、物流、介護など) | 画面上の作業が中心で、映像では違いが伝わりにくい |
| 応募のハードル | 未経験可、アルバイト・パートなど応募しやすい募集 | 高い専門性や長い経験が必要な募集 |
| 魅力の伝わり方 | 人柄や職場の雰囲気が決め手になりやすい | 条件や待遇の比較で選ばれやすい |
「工夫が必要」な職種でも、出せないわけではありません。たとえば専門職なら、社員が仕事のおもしろさや失敗談を話す動画で興味を持ってもらい、詳しい条件は採用ページで伝える、という役割分担が考えられます。
05TikTok求人広告の費用の考え方
最低予算とオークション
TikTokの公式ヘルプでは、キャンペーンの日予算は50米ドル以上、広告グループの日予算は20米ドル以上という最低予算が案内されています(金額は米ドル表記。日本円での下限は管理画面で確認してください)。そのうえで、実際の単価はオークションで決まり、職種・地域・時期・動画への反応で変わります。
予算は採用人数から逆算する
予算は、採用したい人数と、応募から採用までの割合から必要な応募数を出し、1件の応募にかけられる金額を掛けて見積もります。式にすると、「採用したい人数 ÷ 応募から採用までの割合 × 応募1件にかけられる金額」です。応募から採用までの割合は、自社の過去の採用実績をもとに置きます。最初の数週間は、自社の職種で応募1件にいくらかかるのかを知るためのテスト期間と考えましょう。
06TikTok求人広告の出し方
ステップ1. 広告アカウントと採用アカウントを準備する
TikTok広告マネージャーでアカウントを作成します。Spark Adsを使う場合は、自社のTikTokアカウントと広告アカウントを連携します。広告を見た人はプロフィールを確認することが多いので、職場の様子がわかる投稿をいくつか載せておきましょう。
ステップ2. 応募の受け皿を決める
採用ページに誘導する場合は、TikTokピクセルで応募完了を計測できるようにします。アプリ内で受け付ける場合は、広告の目的で「リード生成」を選び、インスタントフォームを作成します。インスタントフォームは完了後に編集できず、広告マネージャーでのリードデータの保存期間は90日間と案内されているため、リードは定期的にダウンロードするか、自社の管理表やCRMに連携しておきましょう。
ステップ3. 動画を複数本用意する
切り口の違う動画を最低でも2〜3本用意します。このあと紹介する構成テンプレートを使うと、撮影の段取りが立てやすくなります。
ステップ4. 配信設定をして審査に出す
地域は通勤できる範囲を基準にし、年齢・性別は広めに設定します。広告はTikTokの審査を経て配信され、公式ヘルプでは通常24時間以内に審査が完了すると案内されています。
ステップ5. 検証しながら入れ替える
TikTokにはスプリットテストの機能があり、冒頭や訴求の違いを比べられます。反応の良かった要素を次の動画に生かし、反応が落ちてきた動画は入れ替えます。
入れ替えを続けるには、現場と撮影の日程を調整し、編集してテロップを入れ、出演者の同意を確認する工程が毎回発生します。採用担当が他の業務と兼務していると、最初に止まりやすいのはこの撮影と更新です。募集期間中にどのくらいの頻度で新しい動画を用意できるかを、配信前に現場と決めておきましょう。1つの職種をスマートフォンで撮って試す段階なら、自社で進めても十分に判断材料を集められます。複数の職種や地域で動画と採用ページを並行して動かす段階になると作業量が増えるため、どこまでを社内で持つかを考える価値があります。
応募が増えないときは、動画を作り直す前に、視聴、採用ページの離脱、応募フォームの完了、応募後の連絡のどこで止まっているかを分けて見ます。動画の反応が良くても、採用ページの内容が動画とずれていれば、応募にはつながりません。
07採用動画の構成テンプレート
TikTokで見てもらえる採用動画には、共通する型があります。以下は、20〜30秒程度の動画を想定した構成の一例です。
| パート | 目安 | 役割 | 例 |
|---|---|---|---|
| フック | 冒頭1〜2秒 | 誰に向けた何の動画かを示して指を止める | 「〇〇市で、未経験から〇〇の仕事を始めたい人へ」 |
| 仕事の1日 | 〜12秒 | 実際の仕事の流れを見せる | 出勤、朝礼、作業の手元、休憩、退勤までを早送りで |
| 人と言葉 | 〜20秒 | 働く人の本音で安心してもらう | 先輩社員が「最初は〇〇が大変だった」と話す |
| 条件 | 〜25秒 | 応募の判断材料を示す | 仕事内容・勤務地・給与をテロップで |
| 行動の案内 | 最後 | 次の行動を示す | 「まずは職場見学から。リンクから申し込めます」 |
公式ブログに見る、人材系広告の傾向
TikTok for Businessの公式ブログでは、2022年3月〜2023年3月に日本で配信された人材業界の広告を分析し、アルバイト求人アプリの広告で「応募のハードルを下げる訴求」がある動画は、ない動画より平均CVRが約92%高く、給与を見せた動画も約36%高かったと紹介しています。人材サービスの広告を対象にした平均の差で、自社の求人に同じ結果が出るとは限りませんが、「履歴書不要」「見学だけでもOK」のように応募の一歩目を軽くすることや、給与を隠さず見せることは、構成を考えるうえでの参考になります。
撮影と編集のコツ
- 冒頭に会社のロゴや社名を置かない:最初の数秒で、見る人に関係のある動画だと伝える
- スマートフォンで縦に撮る:作り込んだ映像より、職場の実際の音や会話のほうがなじみやすい
- テロップを入れる:音を出さずに見る人にも内容が伝わるようにする
- 画面の上下と右側に大事な文字を置かない:アカウント名やボタンと重なるため、セーフゾーンを確認する
- 出演する社員の同意を得る:広告に使う範囲や期間、退職した場合の扱いも事前に決めておく
08出稿前チェックリスト
| チェック項目 | 確認のポイント |
|---|---|
| 6つの情報 | 名称・住所・連絡先・業務内容・就業場所・賃金を、広告テキストか動画内のテロップに入れているか |
| 連絡先 | 電話番号・メールアドレス・自社サイトの専用フォームのいずれかを示しているか(DMのみは不可) |
| 情報の正確さ | 給与・仕事内容・雇用形態が事実どおりで、採用ページと一致しているか |
| 年齢 | 「20代限定」「若手のみ」など年代を限定・優遇する表現がないか |
| 性別 | 一方の性を表す職種名や「男性歓迎」「女性向き」といった表現がないか |
| 配信設定 | 年齢・性別で必要以上に配信先を絞っていないか |
| ポリシー | モデル・インフルエンサー募集など、TikTokで許可されない募集に当たらないか |
| 広告の表示 | 社員やクリエイターの投稿を広告にする場合、広告であることがわかる形になっているか |
| 募集終了時 | 募集を締め切ったら、すぐに広告を止める手順が決まっているか |
6つの情報は、厚生労働省がSNSなどで直接労働者を募集する際に記載を求めている項目です。同じ資料では、6つの情報を載せた自社サイトへのリンクだけでは足りず、広告そのものに記載が必要とされています。TikTokの広告テキストは長い文章を入れにくいため、動画の最後に募集情報をまとめたカットを入れるなど、動画の中で示す工夫が必要です。
09よくある質問
TikTokの求人広告は、踊ったりバズらせたりしないといけませんか?
その必要はありません。広告は予算に応じて配信されるため、自然にバズるのを待つ必要がありません。大切なのは、仕事の中身や職場の雰囲気が正直に伝わり、応募の判断材料がそろっていることです。
TikTokは若い人しか見ていないのでは?
若い世代の利用が多いイメージがありますが、配信先の年齢を広めに設定すれば、幅広い年代に届く可能性があります。なお、求人広告で年代を限定・優遇する表現は、日本の法令上、原則として認められていない点に注意してください。
社員の投稿を広告にしてもよいですか?
Spark Adsを使えば、本人の許可を得てその投稿を広告として配信できます。社員の個人アカウントの投稿を使う場合は、広告に使うことへの同意を書面などで取り、企業の広告であることがわかる形で配信しましょう。2023年10月1日から、広告であることを隠した表示は景品表示法の規制対象になっています。
応募が来たら、どのくらいで連絡すべきですか?
決まった基準はありませんが、TikTokから応募する人は、ほかの会社とも並行して検討していることが多いと考えられます。応募後すぐに受付の連絡を送り、担当者からの連絡もできるだけ早く行える体制を作っておきましょう。
10まとめ
- TikTokの求人広告は、通常の運用型広告を採用の目的で使うもので、インフィード広告・Spark Ads・リード生成が中心
- 雇用広告の自己申告とターゲティング制限は米国・カナダが対象だが、差別的な広告と求人情報の虚偽はどの地域でも禁止
- 予算は採用人数から逆算し、最初の数週間はテスト期間と考える
- 動画は「フック→仕事の1日→人と言葉→条件→行動の案内」の型で、職場をそのまま見せる
- 6つの情報を広告の中に入れ、年齢・性別を限定・優遇する表現は使わない
TikTokの求人広告は、作り込んだ広告よりも「この職場で働く自分」を想像できる動画が力を発揮します。株式会社Lic.でも、媒体の見られ方に合わせた動画と、その先の応募導線を一続きで考えることを大切にしています。
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参考
- TikTok広告マネージャー ヘルプ「HEC Ad Policy(住宅・雇用・信用の広告ポリシー)」 https://ads.tiktok.com/help/article/housing-employment-credit-hec-ad-policy?lang=ja
- TikTok広告マネージャー ヘルプ「広告主アカウントポリシー」 https://ads.tiktok.com/help/article/actor-policy?lang=ja
- TikTok広告マネージャー ヘルプ「その他の製品とサービス」 https://ads.tiktok.com/help/article/tiktok-ads-policy-other-products-and-services?lang=ja
- TikTok広告マネージャー ヘルプ「予算について」 https://ads.tiktok.com/help/article/budget?lang=ja
- TikTok広告マネージャー ヘルプ「Spark Adsについて」 https://ads.tiktok.com/help/article/spark-ads?lang=ja
- TikTok広告マネージャー ヘルプ「リードジェネレーションキャンペーン インスタントフォーム」 https://ads.tiktok.com/help/article/set-up-lead-generation-with-instant-form?lang=ja
- TikTok広告マネージャー ヘルプ「TikTok広告マネージャーでインスタントフォームを作成する方法」 https://ads.tiktok.com/help/article/build-instant-form?lang=ja
- TikTok広告マネージャー ヘルプ「Advertising & Ad Review」 https://ads.tiktok.com/help/article/advertising-on-tiktok-first-things-to-note?lang=ja
- TikTok広告マネージャー ヘルプ「スプリットテストについて」 https://ads.tiktok.com/help/article/split-testing?lang=ja
- TikTok for Business「アルバイトから転職まで、人材紹介サービスの獲得効率を高めるクリエイティブのポイントを初公開」 https://ads.tiktok.com/business/ja/blog/creative-tips-recruit
- 厚生労働省・都道府県労働局「SNS等を通じて直接労働者を募集する際には氏名(名称)・住所・連絡先・業務内容・就業場所・賃金を記載しましょう」 https://www.mhlw.go.jp/content/001358676.pdf
- 厚生労働省「2022(令和4)年10月1日施行 職業安定法改正のポイント」 https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000983824.pdf
- 厚生労働省「労働者の募集及び採用における年齢制限禁止の義務化に係るQ&A(令和7年4月1日現在)」 https://www.mhlw.go.jp/content/001474761.pdf
- 厚生労働省「男女均等な採用選考ルール」 https://www.mhlw.go.jp/content/11909000/001287139.pdf
- 消費者庁「令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります。」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/stealth_marketing/





