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デザイン依頼書の書き方|12項目のテンプレートと記入例

デザイン依頼書の書き方|12項目のテンプレートと記入例
目次
  1. 01デザイン依頼書(オリエンシート)とは
  2. 02依頼書に書く12項目のテンプレ
  3. 03項目ごとの書き方と良い例・悪い例
  4. 04デザイン依頼書の記入例(架空の法人向けサービスのLP)
  5. 05「おしゃれに」など伝わりにくい言葉の言い換え表
  6. 06依頼書を送る前のチェックリスト
  7. 07デザイン依頼でよくある失敗と対策
  8. 08よくある質問
  9. 09まとめ

デザイン依頼書(オリエンシート)の書き方で大切なのは、「どんな見た目にしたいか」より「誰に、何を、何のために伝えたいか」を先に書くことです。上がってきたデザインがイメージと違う、修正を重ねるうちに関係までぎくしゃくするといったすれ違いは、多くの場合、デザイナーの腕ではなく依頼の段階で起きています。LPやバナーの依頼で使える12項目とそれぞれの書き方、記入例、伝わりにくい言葉の言い換え方を紹介します。見た目の指定は、その後に添えるくらいがちょうどよいバランスです。

01デザイン依頼書(オリエンシート)とは

デザイン依頼書は、制作を始める前に、依頼の目的や前提をデザイナーに伝えるための資料です。広告や制作の現場では「オリエンシート」「オリエン資料」、英語圏では「デザインブリーフ」とも呼ばれます。

口頭の打ち合わせだけでも制作は進められますが、文字にして残すことで、次のような効果があります。

  • 依頼する側の頭の中が整理され、伝え漏れが減る
  • デザイナーが迷ったときに立ち返る基準になる
  • 修正のときに「最初に決めた目的に合っているか」で話せる
  • 社内の関係者と、同じ前提を共有できる

特に、社内で複数の人がデザインを確認する場合、依頼書がないと人によって評価の基準がばらばらになり、修正が終わらなくなります。依頼書は、デザイナーのためだけでなく、社内の合意をとるための道具でもあります。

02依頼書に書く12項目のテンプレ

LPやバナーなど、販促物のデザインを頼むときに使える項目です。全部を埋められなくても構いません。空欄があることがわかるだけでも、打ち合わせで確認すべき点がはっきりします。

区分項目書く内容
目的1. 背景なぜ今これを作るのか
目的2. ゴール見た人に何をしてほしいか、何で成果を測るか
相手3. ターゲット誰に向けたものか、その人の悩みや状況
相手4. ターゲットが見る場面どこで、どんな状態で目にするか
中身5. いちばん伝えたいことひとことで言うと何か
中身6. 根拠・材料それを信じてもらうための事実
中身7. 入れる要素コピー、写真、ロゴ、注釈など
見た目8. トーン与えたい印象
見た目9. 参考と避けたいもの参考デザインと、その理由
条件10. 仕様サイズ、媒体、点数、納品形式
条件11. スケジュール初稿、修正、最終納品の日付
条件12. 確認の流れ誰が、何回、どの順で確認するか

並び順にも意味があります。目的と相手が先、見た目は後です。見た目から書き始めると、デザイナーは「言われたとおりに作る」ことしかできず、目的に合った別の提案をする余地がなくなります。

03項目ごとの書き方と良い例・悪い例

1. 背景

なぜ今このデザインが必要なのかを書きます。新商品の発売、既存LPの成果の低下、新しい広告媒体への出稿など、きっかけがわかるとデザイナーは優先順位をつけやすくなります。

  • 悪い例:新しいLPを作りたい
  • 良い例:Instagram広告を始めるにあたり、検索広告用のLPでは情報が多すぎて読まれないため、スマホで短く読めるLPを新しく作りたい

2. ゴール

見た人に取ってほしい行動と、成果を測る指標を書きます。「かっこよくしたい」はゴールではなく手段です。

  • 悪い例:ブランドイメージを上げたい
  • 良い例:LPから無料相談の申し込みを増やしたい。申し込み率で効果を判断する

3. ターゲット

年齢や性別だけでなく、その人がいま何に困っていて、どの程度検討が進んでいるかを書きます。

  • 悪い例:30〜40代の男女
  • 良い例:従業員50名前後の会社でマーケティングを1人で担当している人。広告代理店に任せているが成果が見えず、乗り換えを考え始めている

4. ターゲットが見る場面

同じ人でも、スマートフォンでSNSを流し見しているときと、PCで比較検討しているときでは、届くデザインが違います。

  • 例:通勤中や休憩中に、Instagramのフィードやストーリーズで流し見している。音は出していないことが多い

5. いちばん伝えたいこと

依頼書の中で最も大切な項目です。伝えたいことが3つも4つもあると、デザイナーはどれを目立たせればよいか判断できません。ひとことに絞り、2番目以降は「補足」として分けて書きます。

  • 悪い例:低価格・高品質・サポート充実・実績多数
  • 良い例:最優先は「最短翌週から始められる」こと。補足として、月額費用の目安と、契約期間の縛りがないこと

6. 根拠・材料

伝えたいことを信じてもらうための事実を書きます。数字、導入企業、お客様の声、受賞歴などです。掲載してよいかの確認が済んでいるものだけを渡しましょう。

7. 入れる要素

決まっているコピー、必ず入れるロゴや注釈、使ってほしい写真などを並べます。「必須」と「あれば」の区別をつけると、デザイナーが要素を整理しやすくなります。

8. トーン

与えたい印象を、2〜3個の言葉で書きます。後述の言い換え表も参考にしてください。

  • 悪い例:おしゃれな感じ
  • 良い例:落ち着いていて信頼できる。ただし堅すぎず、相談しやすそうな印象

9. 参考と避けたいもの

参考デザインは、URLや画像と一緒に「どこが参考なのか」を必ず書きます。「この配色」「この写真の使い方」「この情報の詰め方」など、参考にしたい部分を指定しないと、全体を真似した似たものが上がってきます。避けたいもの(競合と似すぎる色、過去に評判が悪かった表現など)も書いておくと、手戻りが減ります。

10〜12. 仕様・スケジュール・確認の流れ

サイズや点数、納品形式は抜けやすいので、最初に確定させます。スケジュールは初稿の日付だけでなく、修正の締め切りと、社内確認にかかる日数も含めて書きます。確認の流れは「担当者が見て、部長が見て、最後に社長」のように、順番と人数を書いておくと、デザイナー側も修正の回数を見込めます。

04デザイン依頼書の記入例(架空の法人向けサービスのLP)

実際に埋めるとどうなるかを、架空のサービスで示します。

項目記入例
背景Instagram広告を新たに始める。既存LPは情報量が多くスマホで読まれにくいため、広告専用のLPを作りたい
ゴール無料相談の申し込み。申し込み率で判断する
ターゲット中小企業で1人でマーケティングを担当している人。代理店に任せているが成果が見えない
見る場面スマホでInstagramを流し見している最中
いちばん伝えたいこと最短翌週から、広告とLPをまとめて見直せる
根拠・材料対応できる媒体の一覧、相談の流れ、よくある質問(掲載確認済み)
入れる要素必須:ロゴ、キャッチコピー、相談ボタン。あれば:担当者の写真
トーン落ち着いていて信頼できる。堅すぎず、相談しやすい
参考参考LPの「余白の取り方」と「見出しの大きさの差」。配色は自社のコーポレートカラーを使う
避けたいもの赤や黄色を多用した、急かす印象のデザイン
仕様スマホ幅を基準に、縦長1ページ。デザインデータとHTMLで納品
スケジュール初稿○日、修正締め切り○日、公開○日
確認の流れ担当者→マーケティング責任者の2段階。修正は2回まで想定

このくらいの密度で書いてあれば、デザイナーは初稿の段階から方向性を大きく外しにくくなります。

バナーとLPを別々の相手に頼む場合は、同じ依頼書を両方に渡し、広告で何を約束し、LPのどこで受けるかを書き添えます。それぞれ単体では良いデザインでも、訴求がずれていると、広告から来た人はLPの冒頭で離れてしまいます。

05「おしゃれに」など伝わりにくい言葉の言い換え表

依頼書でつい使ってしまう言葉の中には、人によって受け取り方が大きく違うものがあります。次のように、具体的な状態に言い換えて書くのがおすすめです。

伝わりにくい言葉受け取り方の幅言い換えの例
おしゃれに雑誌風、ミニマル、派手など様々余白を多めに、文字は細め、色は2色まで
インパクトのある大きい文字、強い色、意外な写真などスクロール中に手が止まるよう、数字を画面の3分の1の大きさで
シンプルに要素を減らす、色を減らす、装飾をなくす要素は見出し・写真・ボタンの3つだけ
高級感黒×金、白×余白、写真の質感など写真を大きく、文字は明朝体、色数は抑える
親しみやすくイラスト、丸み、明るい色など角を丸く、写真は人物の笑顔、口語のコピー
目立たせて大きく、色を変える、動かすなどボタンだけ背景と反対の色にし、周りの余白を広げる
いい感じに何も伝わらない目的とターゲットから、もう一度言い直す

すべてを細かく指定する必要はありませんが、少なくとも「なぜそう感じてほしいのか」を添えると、デザイナーは目的に沿った解釈をしやすくなります。

06依頼書を送る前のチェックリスト

  • いちばん伝えたいことが、一文で書けているか
  • ゴールと、成果を測る指標が書かれているか
  • ターゲットの悩みと、見る場面が書かれているか
  • 参考デザインに「どこを参考にするか」が添えてあるか
  • 必須の要素と、あれば入れたい要素が分かれているか
  • 使う写真や数字、お客様の声の掲載確認が済んでいるか
  • サイズ・点数・納品形式が確定しているか
  • 社内の確認の流れと、修正の想定回数が書かれているか
  • 社内の決裁者が、依頼書の内容に目を通しているか

最後の項目は見落とされがちですが、重要です。担当者とデザイナーで進めたデザインが、決裁者の一言で最初からやり直しになるのはよくある話です。依頼書の段階で決裁者に「この方向で進めます」と合意をとっておくと、大きな手戻りを防げます。

07デザイン依頼でよくある失敗と対策

失敗起きること対策
伝えたいことを全部並べたどれも目立たず、印象に残らない1つに絞り、残りは補足に回す
参考URLだけを送った参考の全体を真似したデザインになる参考にしたい部分と理由を書く
ターゲットを属性だけで書いた誰にでも当てはまる無難なデザインになる悩みと見る場面まで書く
確認する人を決めていなかった後から意見が増え、修正が終わらない確認者と順番を最初に書く
素材を後から渡したレイアウトのやり直しが発生する写真やロゴは依頼と同時に渡す

08よくある質問

Q. 依頼書はどのくらいの分量が適切ですか

A4で1〜2枚程度に収まるのが理想です。長すぎると読み飛ばされ、重要な部分が埋もれます。詳しい資料は別に添付し、依頼書には要点だけを書く形がおすすめです。

Q. 自分でラフを描いて渡したほうがよいですか

情報の順番や、入れたい要素の大まかな位置を伝える目的なら、手描きのラフは役立ちます。ただし、ラフはあくまで「伝えたいことの並び」を示すもので、デザインの完成形ではないと添えておくと、デザイナーがより良い配置を提案しやすくなります。

Q. 依頼書のテンプレートは毎回同じでよいですか

基本の12項目は共通で使えます。媒体によって、バナーなら「表示される面」、LPなら「流入元の広告」、動画なら「最初の数秒で伝えること」など、重みを置く項目を変えるとより伝わりやすくなります。

単発のバナーやLPなら、依頼書を都度書く形で十分です。広告の検証のために訴求を変えながら素材を作り続ける場合は、依頼、社内確認、修正が本数の分だけ発生し、兼務の担当者のところで止まりやすくなります。訴求案を一覧にして毎回の依頼は差分だけにするか、訴求の案出しから制作までを同じ相手に頼むかを、更新の頻度に合わせて比べてみてください。

09まとめ

  • デザイン依頼書は、デザイナーへの指示書であると同時に、社内の合意をとるための道具
  • 項目は「目的 → 相手 → 中身 → 見た目 → 条件」の順に書く
  • 最も大切なのは、いちばん伝えたいことを一文に絞ること
  • 参考デザインは「どこを」「なぜ」参考にするかまで書く
  • 「おしゃれに」「目立たせて」は、具体的な状態に言い換える
  • 送る前に、決裁者を含めて内容に合意しておく

依頼書の型があると、制作の速さだけでなく、修正の回数も大きく変わります。Lic.では、LPや広告クリエイティブの制作を始める前に、目的とターゲット、広告で伝えていることをすり合わせることを大切にしています。

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