UGC風広告の作り方|代表的な6つの型と台本テンプレ、撮影のコツ

目次
UGC風広告の作り方の基本は、見た目は投稿らしく、中身は広告として設計することです。ユーザーの投稿のような見た目でつくる広告で、きれいに作った動画よりスマホで撮っただけの動画のほうが反応がよい場面もあります。ただし、雑に撮っただけの動画は、質の低い広告に見えてしまいます。
考え方、向いている商材、代表的な6つの型と台本テンプレ、撮影・編集のコツ、公開前のチェックリストを整理しました。成果を決めるのは、冒頭の一言、体験の具体性、広告であることを隠さない誠実さの3つです。
01UGC風広告とは
UGC(User Generated Content)は、一般のユーザーがつくって投稿したコンテンツのことです。UGC風広告は、その見た目や話し方を参考にして、企業が企画・制作する広告を指します。
本物のUGCとの違い
| 項目 | 本物のUGC | UGC風広告 |
|---|---|---|
| 誰がつくるか | 一般のユーザーが自発的に | 企業が企画し、出演者やクリエイターに依頼して |
| 内容のコントロール | できない | できる(訴求・尺・構成を設計できる) |
| 本数 | 集まるのを待つしかない | 必要な数を計画的に作れる |
| 第三者の声としての信頼 | ある | ない。企業の広告として扱われる |
| 広告であることの表示 | 広告に転用する場合は表示が必要 | 広告として配信する以上、広告と分かる形にする |
UGC風広告は、本物の口コミの代わりにはなりません。「お客様の声」であるかのように見せるのではなく、あくまで「投稿の文法でつくった企業の広告」として扱うことが前提です。本物のUGCを集めて活用する方法とは、別の施策として考えましょう。
なぜUGC風が反応されやすいのか
- フィードになじむ:SNSのフィードやおすすめに流れたとき、ほかの投稿と見た目が近いので、広告だからと飛ばされにくい
- 人の顔と声がある:画面に向かって話す人がいると、自然と目が止まる
- 使っている場面が想像できる:作り込んだイメージ映像より、生活の中で使う様子のほうが自分ごとにしやすい
- 少ない費用で本数を作れる:大がかりな撮影が不要なので、検証に必要な本数をそろえやすい
02UGC風広告が向いている商材・向いていない商材
| 向いている | 理由 |
|---|---|
| 化粧品・日用品・食品など、使う様子を見せられる商材 | 使用感や手順を見せるだけで魅力が伝わる |
| アプリ・Webサービス | 画面を見せながら「こう使う」を伝えやすい |
| スクール・求人・サービス業 | 通っている人や働いている人の目線で語れる |
| 比較検討されやすい商材 | 「乗り換えた理由」など体験の語りで違いを伝えられる |
| 向いていない・注意が必要 | 理由 |
|---|---|
| ブランドの世界観そのものが価値の高級品 | 生活感のある映像が、かえって価値を下げることがある |
| 効果・効能の表現に厳しい規制がある商材 | 体験談の語り方によっては、表現のルールに触れるおそれがある |
| 使う前後の変化を見せにくい商材 | 何を見せるかを工夫しないと、話すだけの動画になる |
03UGC風広告の代表的な6つの型
UGC風広告には、繰り返し使われる型があります。商材と伝えたいことに合わせて選びましょう。
| 型 | 内容 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 1. 画面に向かって話す型 | 出演者がスマホに向かって、悩みと使った感想を話す | 共感から入りたいとき。もっとも基本の型 |
| 2. 使ってみた型 | 開封や使い始めの様子を、手元や本人ごと見せる | 使用感や手軽さを伝えたいとき |
| 3. 比較・乗り換え型 | 前に使っていたものと比べて、違いを話す | 検討段階の人に届けたいとき |
| 4. 1日の流れ型 | 朝から夜までの生活の中に、商品が出てくる | 日常に取り入れるイメージを伝えたいとき |
| 5. 質問に答える型 | 「よく聞かれるんですけど」と疑問に答える | 不安や誤解を解きたいとき |
| 6. 失敗談型 | 「最初これで失敗しました」から入る | 正しい使い方や選び方を伝えたいとき |
最初は1の型で、冒頭の一言だけを変えた複数パターンを作るのがおすすめです。型ごとの反応を比べながら、勝てる型を見つけていきましょう。
04UGC風広告の台本テンプレ:15〜30秒の基本構成
UGC風広告でも、台本は必要です。台本がないまま撮ると、話が長くなり、伝えたいことが最後まで出てこない動画になりがちです。基本は次の5つの流れです。
| パート | 秒数の目安 | 役割 | 例(家事代行サービス) |
|---|---|---|---|
| 1. 冒頭の一言 | 0〜2秒 | 手を止めてもらう | 「共働きで、平日に掃除する時間が取れないご家庭へ」 |
| 2. 悩みの具体化 | 2〜7秒 | 自分ごとにしてもらう | 「週末が掃除で終わると、子どもと出かける時間も減りますよね」 |
| 3. 出会いと使用 | 7〜17秒 | 商品の使い方を場面で見せる | 「2時間のお試しで、水回りを中心に掃除します」(作業の様子を映す) |
| 4. 変化 | 17〜24秒 | 使った後の生活を想像してもらう | 「空いた土曜の朝を、家族との時間に使えます」 |
| 5. 次の行動 | 24〜30秒 | 何をすればいいかを伝える | 「初回のお試しは、プロフィールのリンクから」 |
この例は、演者が実際の利用者ではない場合を想定し、サービスの紹介として書いています。「私も頼んでみて」のような一人称の体験談にすると、実在の利用者の声と受け取られるおそれがあるためです。スタッフや社員が話すなら立場が伝わる語り方にし、画面に「サービス紹介」「出演者は利用者ではありません」などと表示しておくと、誤解を防げます。実際の利用者に話してもらう場合は、本人の体験の範囲で語ってもらい、内容を書き換えないようにします。
冒頭の一言のバリエーション
冒頭は、同じ本編に対して複数パターンを用意すると検証がしやすくなります。
- 悩みの告白:「正直、〇〇がずっとコンプレックスでした」
- 意外な結論:「〇〇、やめたら逆にうまくいきました」
- 呼びかけ:「〇〇で悩んでる人、ちょっと聞いてください」
- 数字:「〇〇にかかる時間が、半分になりました」(根拠を示せる場合のみ)
- 質問:「〇〇って、実際どうなの?とよく聞かれるので答えます」
「悩みの告白」や「数字」のように本人の経験として語る言い方は、演者自身の事実である場合にだけ使います。
台本は「話し言葉」で書く
台本を文章のように書くと、読み上げているのがすぐに伝わってしまいます。「〜なんですけど」「正直」「ほんとに」など、ふだん話すときの言葉で書き、出演者が自分の言葉に言い換えてもいいことにしておくと、自然な仕上がりになります。
05スマホ撮影のコツ:「素人っぽさ」と「雑さ」の違い
UGC風広告は、プロ用の機材がなくてもスマホで撮影できます。ただし、見ている人がストレスを感じる「雑さ」は避けなければいけません。
| 残してよい「素人っぽさ」 | 避けるべき「雑さ」 |
|---|---|
| 自宅や職場など、生活感のある背景 | 散らかりすぎて、商品が目立たない背景 |
| 手持ちの、少し揺れる画面 | 酔うほどぶれる、ピントが合っていない画面 |
| 台本どおりではない、自然な言い回し | 何を言っているか聞き取れない音声 |
| 簡単なテロップ | テロップがなく、音を出さないと内容がわからない |
| 1カットで話し続ける構成 | 間が長く、結論になかなかたどり着かない構成 |
撮影時のチェックポイント
- 縦型で撮る:TikTokやInstagramリールなど、縦型の全画面で表示される配信面に合わせる
- 明るい場所で撮る:窓の近くなど自然光が入る場所で、顔が暗くならないようにする
- 声をはっきり録る:スマホを近づける、静かな部屋で撮るなど、音声の聞き取りやすさを優先する
- 商品を手に持って見せる:話すだけでなく、商品やサービスの画面を映すカットを入れる
- 画面の端に大事な情報を置かない:各媒体のボタンや説明文と重ならないよう、テロップや商品は中央寄りに配置する
- 複数テイクを撮る:冒頭の一言を変えたテイクを撮っておくと、編集で複数パターンが作れる
編集は装飾を足すより、言い淀みや間を削る
編集では、言い淀みや長い間を削り、テンポよく見られるようにします。凝ったエフェクトや派手な装飾を足すほど、広告らしさが強くなってしまうので注意が必要です。テロップは、音を出さずに見ている人にも内容が伝わるよう、話している内容を短くまとめて入れましょう。
06出演者の選び方と依頼のポイント
- ターゲットに近い人を選ぶ:見る人が「自分と同じ立場の人だ」と感じられる年代・雰囲気の人
- 商品を実際に使ってもらう:使ったことがない人が話す体験談は、言葉が浅くなる
- 話してほしいことと、言ってはいけないことを伝える:効果の断定や、他社の悪口など、避けてほしい表現を事前に共有する
- 使用範囲と期間を書面で決める:どの媒体で、いつまで広告として使うかを契約で明確にする
- クリエイターのアカウントから配信する方法も検討する:TikTokのSpark AdsやMetaのパートナーシップ広告のように、クリエイター本人の投稿やアカウント名で広告を出せる仕組みもある
07公開前のチェックリスト
- 冒頭2秒以内に、悩みや結論など手を止める理由があるか
- 音を出さなくても、テロップで内容が伝わるか
- 商品やサービスが、画面にしっかり映っているか
- 効果を断定する表現や、根拠のない数字を使っていないか
- 「個人の感想」に見せかけて、実際とは異なる体験を語らせていないか
- 広告として配信されることが、見る人に分かる形になっているか
- 出演者と、使用範囲・期間・報酬について合意しているか
- BGMや映り込んだもの(他社のロゴ、ほかの人の顔など)に権利の問題がないか
- 冒頭違いなど、比較できる複数パターンを用意しているか
- 動画で話した内容と、リンク先のLPの内容がそろっているか
08よくある質問
社員が出演してもいいですか?
問題ありません。社員が自社の商品について話す形は、「つくっている人の声」として信頼につながることもあります。ただし、一般の利用者のふりをさせるのは避け、社員であることが伝わる語り方にしましょう。
何本くらい作ればいいですか?
まずは型を1〜2つに絞り、冒頭の一言を変えた3パターン程度から始めるのが現実的です。反応の良い冒頭が見つかったら、出演者や型を変えて本数を増やしていきます。社内に話せる人がいて、少ない本数で試す段階なら自社で十分です。続けるほど、出演者の手配、撮影、編集、表現と権利の確認の手間が増えるので、誰がどの工程を受け持つかを先に決めておくと更新が止まりにくくなります。
AIで作ったアバターの動画でもいいですか?
ツールで作る方法もありますが、実在の利用者のように見せると、見た人を誤解させるおそれがあります。使う場合は、表現の内容と見せ方を慎重に確認し、まずは実際の人の出演と比べて反応を検証しましょう。
09まとめ
- UGC風広告は、投稿の見た目でつくる企業の広告。本物の口コミの代わりにはならない
- 使う様子を見せられる商材や、体験で違いを伝えられる商材と相性が良い
- 6つの型から選び、冒頭→悩み→使用→変化→次の行動の流れで台本を書く
- 「素人っぽさ」は残し、聞き取りにくさやぶれなどの「雑さ」は取り除く
- 広告であることを隠さず、表現と権利のチェックをしてから配信する
UGC風広告は、手軽に見えて、冒頭の一言や台本の設計で大きく差が出るクリエイティブです。Lic.では、SNS広告の運用とショート動画の制作を一続きで行い、数字を見ながら冒頭や型を入れ替えていく進め方を大切にしています。
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