ペルソナの作り方|6ステップと設定項目、施策に活かすテンプレート

目次
ペルソナの作り方は、使う目的を決め、社内のデータとお客様の声を集め、共通点を1人の人物像にまとめ、チームで確認して使いながら更新する、という流れが基本です。ペルソナは項目をきれいに埋めることが目的ではなく、広告の訴求やLPの構成を決めるときの判断基準として使うためのものです。資料にまとめたきり使われないものとの違いは、「悩み」「きっかけ」「迷う理由」「決め手」の4つが具体的に書かれているかどうかです。ターゲットとの違い、BtoC・BtoBの項目テンプレート、インタビューの質問例、広告やLPへの落とし込み方も紹介します。
01ペルソナとは
ペルソナとは、商品やサービスの典型的なお客様を、1人の具体的な人物として描いたものです。名前、年齢、職業、暮らし方といった属性に加えて、どんな悩みを持ち、どこで情報を集め、何を決め手に商品を選ぶのかまでを描きます。
ペルソナは架空の人物ですが、想像だけで作るものではありません。実際のお客様のデータや、インタビューで聞いた声をもとに、「こういう人が典型的なお客様だ」と言える人物像にまとめます。
ターゲットとの違い
ペルソナとよく似た言葉に「ターゲット」があります。
| 項目 | ターゲット | ペルソナ |
|---|---|---|
| 描き方 | 属性で区切った集団 | 1人の具体的な人物 |
| 例 | 都内在住の30代の会社員、女性 | 都内のIT企業で営業職として働く34歳。残業が多く、平日の夜は自炊する余裕がない |
| 主な用途 | 広告の配信先の設定、市場の大きさの把握 | 訴求、言葉選び、ページの構成の判断 |
ターゲットは「どこに届けるか」を決めるもの、ペルソナは「何をどう伝えるか」を決めるもの、と考えると使い分けやすくなります。広告の配信設定ではターゲットを、広告文やLPの中身を考えるときはペルソナを使います。
02ペルソナを作る目的
ペルソナを作る主な目的は、次の3つです。
- 判断の基準をそろえる:「この表現はペルソナに響くか」という同じ基準で、チームの意見をまとめられる
- 訴求を具体的にする:誰にでも当てはまる言葉ではなく、特定の人に刺さる言葉を選べる
- 抜けている情報に気づく:ペルソナが迷う理由を描くことで、LPに足りない情報が見える
逆に言えば、この3つのどれにも使われないペルソナは、作る意味がありません。作る前に「このペルソナを何の判断に使うのか」を決めておくことが、使われるペルソナを作る第一歩です。
03ペルソナの作り方(6ステップ)
ステップ1:使う目的を決める
ペルソナを何に使うのかを最初に決めます。広告の訴求を決めるためなのか、LPの構成を見直すためなのか、新しい商品の企画のためなのかで、必要な項目が変わります。目的が広告やLPであれば、購入や申し込みまでの気持ちの動きを厚めに描く必要があります。
ステップ2:今あるデータを集める
まずは、社内にすでにあるデータを集めます。
- 顧客リストや購入履歴(年齢、地域、購入した商品、購入の頻度)
- サイトや広告のアクセス解析(どの広告やページから来たか、どの端末で見ているか)
- 問い合わせやお客様アンケートの記録
- 営業担当や店舗スタッフが日々聞いているお客様の声
データを見るときは、売上の多いお客様や、長く使ってくれているお客様に注目します。ペルソナは「平均的なお客様」ではなく、「増やしたいお客様」の典型を描くものだからです。
ステップ3:お客様に話を聞く
データだけでは、お客様がなぜその商品を選んだのか、何に迷ったのかといった気持ちの部分はわかりません。可能であれば、実際のお客様に直接話を聞きます。人数は多くなくてもかまいません。数人に話を聞くだけでも、データからは見えない共通点が見えてきます。
お客様に直接聞くのが難しい場合は、営業担当や問い合わせ対応の担当者に、お客様がよく口にする言葉や質問を聞くだけでも十分なヒントになります。
お客様と日常的に話している担当者がいる会社なら、社内だけでも実用的なペルソナを作れます。社内の意見が割れて決まらないときや、自社の仮説から離れて話を聞きたいときは、第三者に聞き手を頼むのも一つの方法です。
ステップ4:共通点をまとめて人物像にする
集めたデータと声から、共通する悩み、行動、決め手を書き出し、1人の人物像にまとめます。このとき、項目をすべて埋めることにこだわる必要はありません。目的に関係の深い項目を優先して、具体的に書きます。
ステップ5:チームで確認する
ペルソナができたら、営業、制作、運用の担当者など、関係する人に見てもらいます。「実際のお客様と比べて違和感はないか」「この人物像なら、広告やLPの判断に使えそうか」を確認し、ずれがあれば修正します。
ステップ6:使いながら更新する
ペルソナは一度作ったら終わりではありません。広告の配信結果や、新しいお客様の声をもとに、定期的に見直します。特に、反応のよかった広告やLPの訴求は、ペルソナの悩みや決め手を見直すヒントになります。
ただし、広告の結果、LPの離脱、問い合わせの内容は、担当者や管理画面が分かれていることが多く、他の業務と兼務する体制では更新が後回しになりがちです。見直す材料と確認する人を先に決めておくと、止まりにくくなります。
04ペルソナの設定項目テンプレートと記入例
BtoC向けのテンプレ
| 項目 | 記入例(ミールキットの宅配サービス) |
|---|---|
| 名前・年齢 | 佐藤 美咲(仮名)・34歳 |
| 職業・働き方 | IT企業の営業職。残業が多く、帰宅は20時過ぎ |
| 家族・暮らし | 夫と2人暮らし。平日の夕食は交代で作る |
| 1日の過ごし方 | 通勤中はスマホでSNSとニュースを見る。夜はInstagramのリールを見ながら過ごす |
| 悩み | 平日の夕食がコンビニや外食に偏り、健康面と食費が気になる |
| きっかけ | 健康診断の結果を見て、食生活を変えたいと思った |
| 情報の集め方 | Instagramで料理の投稿を見る。気になったら口コミを検索する |
| 迷う理由 | 料金が続けられる金額か、本当に短い時間で作れるのか、解約しやすいか |
| 決め手 | 実際に作っている動画を見て、自分にもできそうと思えるか |
| よく使う言葉 | 「時短」「ちゃんとしたごはん」「洗い物が少ない」 |
BtoB向けのテンプレ
BtoBでは、個人の暮らしよりも、会社の状況や社内での立場、決裁の流れが重要になります。
| 項目 | 記入例(勤怠管理システム) |
|---|---|
| 会社の概要 | 従業員50名の製造業。拠点は本社と工場の2か所 |
| 担当者の立場 | 総務部の課長。総務・経理・労務を少人数で兼任 |
| 業務の状況 | 勤怠はタイムカードと表計算ソフトで管理。月末の集計に時間がかかる |
| 悩み | 集計のミスが心配。法改正への対応も追いつかない |
| きっかけ | 担当者の退職で、引き継ぎが難しいと感じた |
| 情報の集め方 | 検索で比較記事を読む。展示会や同業者からの紹介も参考にする |
| 社内の決め方 | 担当者が候補を絞り、部長と社長の承認で決まる |
| 迷う理由 | 現場の従業員が使いこなせるか、導入の手間、費用の説明のしやすさ |
| 決め手 | 同じ規模・業種の会社での導入実績、導入時のサポート |
| よく使う言葉 | 「手間」「属人化」「ミスが怖い」 |
どちらのテンプレも、特に大切なのは「悩み」「きっかけ」「迷う理由」「決め手」の4つです。この4つが具体的に書けていれば、広告とLPの中身を決める材料がそろいます。
05お客様へのインタビューの質問例
インタビューでは、「なぜ買ったのですか」と直接聞くよりも、実際の行動を時系列で聞くほうが、本音を引き出しやすくなります。
- 商品を探し始めたのは、いつ、どんなことがきっかけでしたか
- そのとき、どんな方法で情報を調べましたか
- ほかに検討した商品やサービスはありましたか
- 申し込む前に、不安だったことや迷ったことは何でしたか
- 最終的に決めた理由は何でしたか
- 使い始めてみて、想像と違ったことはありましたか
- この商品を人に紹介するとしたら、どんな言葉で説明しますか
最後の質問は特に役立ちます。お客様が自分の言葉で説明した内容は、そのまま広告文やLPの見出しのヒントになります。
06ペルソナを広告・LPに落とし込む方法
ペルソナを作ったら、その内容を広告やLPの判断に変換します。次の表のように、ペルソナの項目と、決めるべきことを結びつけると使いやすくなります。
| ペルソナの項目 | 決めること | 例(ミールキットの場合) |
|---|---|---|
| 1日の過ごし方・情報の集め方 | 配信する媒体と面 | 夜に見ているInstagramのリールを中心に配信 |
| 悩み | 広告の冒頭・LPの共感ブロック | 「忙しい平日の夕食を、もっと手軽に」 |
| きっかけ | 訴求のタイミングや切り口 | 健康を意識し始めた人に向けた訴求 |
| 迷う理由 | LPの料金・FAQブロック | 1食あたりの料金、調理時間、解約の方法を明記 |
| 決め手 | LPの根拠ブロック、動画の内容 | 実際に調理している動画を見せる |
| よく使う言葉 | 広告文・見出しの言葉選び | 「洗い物が少ない」という言葉を見出しに使う |
この表を作ると、ペルソナが資料のままで終わらず、日々の判断に使えるようになります。広告やLPを作るたびに、この表と照らし合わせて、ペルソナの悩みや迷う理由に答えられているかを確認します。
広告だけをペルソナに合わせても、LPや登録後のLINEが別の人に向けた内容のままでは、興味が途中で途切れます。広告で触れた悩み、LPで答える迷い、LINEで届ける情報が同じ人物像につながっているかも見ておきましょう。
07ペルソナづくりのよくある失敗と対策
| よくある失敗 | 起きること | 対策 |
|---|---|---|
| 想像だけで作る | 実際のお客様とずれた訴求になる | データとお客様の声をもとに作る |
| 属性だけで終わる | 広告やLPの判断に使えない | 悩み・きっかけ・迷う理由・決め手を具体的に書く |
| 項目を埋めることが目的になる | 時間がかかり、使われない資料になる | 目的に関係の深い項目を優先する |
| 理想のお客様を描きすぎる | 現実には少ない人物に向けた訴求になる | 実際に多い、増やしたいお客様をもとにする |
| ペルソナを何人も作る | 結局どれにも合わない中途半端な訴求になる | まずはメインのペルソナを1人に絞る |
| 作ったあと更新しない | 市場やお客様の変化についていけない | 配信結果や新しい声をもとに定期的に見直す |
特に注意したいのが、ペルソナを何人も作る失敗です。お客様のタイプが複数あるのは自然なことですが、最初から何人も作ると、広告やLPがどのペルソナにも合わない中途半端なものになりがちです。まずは一番大切なお客様を1人描き、広告やLPで成果が出てから、2人目、3人目を追加するのがおすすめです。
08よくある質問
Q. お客様がまだいない場合、どうやってペルソナを作ればいいですか
新しい商品やサービスでお客様がいない場合は、仮説のペルソナを作るところから始めます。競合の商品のレビューや、SNSでの関連する投稿、検索されている言葉などから、お客様の悩みや言葉を拾います。そのうえで、小さな予算で広告を配信し、反応のよかった訴求をもとにペルソナを修正していきます。
Q. ペルソナの名前や顔写真は必要ですか
必須ではありませんが、名前やイメージ写真があると、チームの中で「〇〇さんならどう思うか」と話しやすくなる利点があります。ただし、見た目の印象に引っ張られて、悩みや決め手の検討がおろそかにならないように注意してください。
Q. ペルソナはどのくらいの頻度で見直せばいいですか
決まった頻度はありませんが、広告の反応が大きく変わったとき、新しい商品やプランを出したとき、お客様の層が変わったと感じたときなどが見直しのタイミングです。広告の配信結果を振り返るときに、あわせてペルソナも確認する習慣をつけておくと、更新が止まりにくくなります。
09まとめ
- ペルソナは、典型的なお客様を1人の具体的な人物として描いたもの
- ターゲットは「どこに届けるか」、ペルソナは「何をどう伝えるか」を決めるもの
- 作る前に、何の判断に使うのかを決める
- データとお客様の声をもとに作り、想像だけで作らない
- 特に「悩み」「きっかけ」「迷う理由」「決め手」の4つを具体的に書く
- ペルソナの項目と、広告・LPで決めることを結びつけて使う
- まずはメインのペルソナを1人に絞り、使いながら更新する
ペルソナが判断の基準として共有されていると、広告とLPの方向性がそろい、改善のスピードも上がります。Lic.では、広告運用やLP制作の前提として、お客様の悩みと迷う理由を整理することを大切にしています。
広告のクリックはあるのに、申し込みが増えない?
広告運用を前提に、離脱防止の設計までふくめたLPや、配信用の広告クリエイティブを制作します。公開後も、配信データをもとに改善を続けます。
- 離脱防止まで考えたLP制作
- 配信用の広告クリエイティブ制作
- 配信データをもとにした継続的な改善
まだ具体的に決まっていない段階のご相談も歓迎です。





