LPOとは?LP最適化の5ステップと優先順位の決め方

目次
LPO(ランディングページ最適化)とは、今あるLPを少しずつ改善していく取り組みで、「数字で問題の場所を特定する」「仮説を1つに絞って変える」「結果を記録して次につなげる」の繰り返しが基本です。LPを一から作り直すと、時間も費用もかかるうえ、新しいLPが前より良くなる保証はありません。
EFOなど似た言葉との違い、始める前に確認すべきこと、離脱箇所の見つけ方、改善の5ステップ、どこから直すかを決める優先順位表を紹介します。作り直しは、この繰り返しで限界が見えてからでも遅くありません。
01LPOとは
LPOは「Landing Page Optimization」の略で、日本語では「ランディングページ最適化」と訳されます。広告などから訪れた人が、LPで申し込みや購入などの行動を起こしてくれる割合(コンバージョン率、CVR)を高めるために、LPの内容や見せ方を改善していく取り組みです。
LPOの特徴は、広告費を増やして訪問者を増やすのではなく、すでに来ている人がより多く行動してくれるようにする点にあります。同じ広告費でも、CVRが上がれば獲得できる件数が増え、1件あたりの獲得単価(CPA)は下がります。
似た言葉との違い
| 用語 | 対象 | 主な取り組み |
|---|---|---|
| LPO | LP全体 | 訴求、構成、デザイン、CTAの改善 |
| EFO | 入力フォーム | 項目数、入力のしやすさ、エラー表示の改善 |
| CRO | サイト全体の成果 | LPOやEFOを含む、成果を高める取り組み全般 |
| SEO | 検索結果での表示 | 検索で見つけてもらうための改善 |
EFOはLPOの一部と考えることもできますが、フォームは離脱が起きやすい場所なので、独立した取り組みとして扱われることが多くあります。
02LPOを始める前に確認すること
LPOは万能ではありません。始める前に、次の点を確認しておきましょう。
1. 計測ができているか
どのくらいの人がLPを訪れ、どこまで読み、何人が行動したかがわからなければ、改善の効果を測れません。アクセス解析ツールや広告の計測タグで、訪問から成果までの数字を追える状態にしておきます。
2. 訪問者の数は足りているか
訪問者が少なすぎると、改善の前後で数字が変わっても、それが改善の効果なのか偶然なのかを判断できません。訪問者がまだ少ない段階では、LPOより先に集客を増やすことを優先したほうがよい場合もあります。
3. 問題はLPにあるか
成果が出ない原因が、LPではなく広告側にあることもあります。たとえば広告のクリック率は高いのにLPで離脱が多いならLPの問題、そもそも広告のクリック率が低いなら広告の訴求の問題の可能性が高いといえます。
| 状況 | 疑うべき場所 |
|---|---|
| 広告のクリック率が低い | 広告の訴求やターゲット |
| クリックはされるが、LPの序盤で離脱が多い | 広告とLPの内容のずれ、ファーストビュー |
| LPの終盤まで読まれるが、申し込みが少ない | 料金、不安の解消、CTA、フォーム |
| フォームまで来るが、送信されない | フォーム(EFOの領域) |
この切り分けが難しいのは、数字を見る場所が分かれているからです。広告の数字は媒体の管理画面、LPの到達率は解析ツール、LINEに誘導しているなら登録後の反応はLINEの管理画面にあります。担当者も別々だと、それぞれが自分の範囲だけを直して原因が残ることがあるため、訪問から成果までの数字を同じ表に並べて見られるようにしておくと、どこを直すかを決めやすくなります。
03LPの離脱箇所を見つける方法
LPOでいちばん大切なのは、問題の場所を推測ではなく数字で見つけることです。
スクロールの到達率
ページのどこまで読まれているかを示す数字です。ある位置で急に到達率が落ちている場合、その手前のブロックで読み手の疑問が解消されていないか、興味を失わせる要素がある可能性があります。
ヒートマップ
ページのどこがよく見られ、どこがクリックされているかを色で表示するツールです。たとえばMicrosoftのClarityは、ヒートマップや行動の録画機能を無料で提供しています。リンクではない画像がよくクリックされていれば、読み手がそこに詳しい情報を求めているサインかもしれません。
ボタンのクリック率
CTAボタンが表示された回数に対して、どのくらい押されたかを見ます。ボタンの位置によってクリック率が大きく違う場合、気持ちが高まっている場所とボタンの位置が合っていない可能性があります。
実際の利用者の声
数字だけではわからないこともあります。問い合わせや商談の場で「LPのどこがわかりにくかったか」「申し込む前に何が不安だったか」を聞くと、改善のヒントが見つかります。
04LPOの手順(改善の5ステップ)
ステップ1. 現状の数字を記録する
改善前のCVR、スクロールの到達率、ボタンのクリック率などを記録しておきます。比べる基準がないと、改善の効果がわかりません。
ステップ2. 問題の場所を1つ決める
数字をもとに、もっとも影響が大きそうな問題の場所を1つ選びます。複数の場所を同時に直すと、どの変更が効いたのかがわからなくなります。
ステップ3. 仮説を立てる
「なぜそこで離脱しているのか」「どう変えれば改善するか」を言葉にします。仮説は「〇〇なので、△△を□□に変えれば、××が改善する」という形で書くと、検証しやすくなります。
ステップ4. 変更して比べる
仮説に沿ってLPを変更し、改善前と比べます。可能であれば、元のLPと変更したLPに訪問者を振り分けて比べるA/Bテストを行うと、時期による変動の影響を受けにくくなります。
なお、かつて無料のA/Bテストツールとして広く使われていたGoogleオプティマイズは、2023年9月30日に提供を終了しています。現在は、他社のテストツールや、広告側で着地先を出し分ける方法などで比べるのが一般的です。
ステップ5. 結果を記録して次へ
改善した場合も、しなかった場合も、結果を記録します。「効果がなかった」という結果も、次の仮説を立てるための大切な材料です。
05LPOの優先順位の決め方:どこから直すかを決める表
改善したい場所がいくつもあるときは、次の3つの観点で点数をつけ、合計が高いものから取り組みます。
| 観点 | 考え方 | 点数の目安 |
|---|---|---|
| 影響の大きさ | 改善できたときに、成果にどれだけ効くか | 大きい3点・中くらい2点・小さい1点 |
| 確からしさ | 数字や利用者の声などの根拠があるか | 根拠が強い3点・ある程度2点・推測1点 |
| 手軽さ | 変更にかかる時間や費用が少ないか | すぐできる3点・数日2点・大がかり1点 |
改善場所ごとの一般的な傾向
| 改善の場所 | 影響の大きさ | 手軽さ | 備考 |
|---|---|---|---|
| ファーストビューのコピー | 大きくなりやすい | すぐできる | 最初に試す候補になりやすい |
| CTAボタンの文言・位置 | 中くらい | すぐできる | 手軽に試せる |
| ブロックの順番の入れ替え | 大きくなりやすい | 数日 | 構成の見直しにあたる |
| お客様の声・根拠の追加 | 中くらい | 素材集め次第 | 掲載の許諾が必要 |
| フォームの項目削減 | 大きくなりやすい | 数日 | 社内調整が必要なことも |
| 全体のデザインの刷新 | 読めない | 大がかり | 最後の手段に |
あくまで一般的な傾向なので、自社のLPの数字と照らし合わせて判断してください。
06LPOでそのまま使える仮説シート
改善のたびに、次のシートを1行ずつ埋めていくと、LPOの記録がそのまま社内の資産になります。
| 列 | 書く内容 | 記入例 |
|---|---|---|
| 問題の場所 | どこで何が起きているか | 料金ブロックの直後で到達率が大きく落ちる |
| 根拠 | 数字や声 | スクロール到達率、商談で「総額がわからなかった」という声 |
| 仮説 | なぜ起きているか | 月額だけで初期費用が書かれておらず、不安になっている |
| 変更内容 | 何をどう変えるか | 初期費用と月額をまとめた表に変える |
| 見る指標 | 何で判断するか | 料金ブロック以降の到達率、CVR |
| 期間 | いつまで比べるか | 2週間、または一定の件数がたまるまで |
| 結果 | どうなったか | 結果と、次に試すこと |
07LPOでよくある失敗と対策
| 失敗 | 起きること | 対策 |
|---|---|---|
| 一度に複数の場所を変える | 何が効いたのかわからない | 変更は1回に1か所に絞る |
| 数日で結論を出す | 偶然の変動に振り回される | 期間か件数の基準を先に決める |
| 色やボタンの形ばかり試す | 小さな改善しか得られない | 訴求や構成など影響の大きい場所から |
| 結果を記録しない | 同じテストを繰り返してしまう | 仮説シートに必ず残す |
| 広告の変更と同時に行う | LPの効果なのか広告の効果なのかわからない | 広告とLPの変更時期をずらす |
他業務と兼務している場合、止まりやすいのは数字の確認より、仮説を言葉にする作業、変更の依頼と確認、結果の記録です。文言を自社で直せるLPで、試す回数を絞って進めるなら、自社で十分に回せます。修正のたびに外部への依頼が必要な場合は、1回の変更にかかる日数と費用を先に確かめておくと、続けられる体制かどうかを判断できます。
08LPの場所別・改善アイデア集
問題の場所が見つかったら、次のアイデアを仮説の出発点にしてください。どれも一般的な改善の方向であり、自社のLPの数字と照らし合わせて選びます。
ファーストビュー
- 広告で使った言葉を、メインのコピーにそのまま入れる
- 「誰向けのページか」を一言で明示する
- 商品の写真を、使っている場面の写真に変える
- CTAボタンをファーストビューの中に入れる
中盤(解決策・根拠)
- 特徴の説明を、読み手にとっての変化の説明に書き換える
- お客様の声を、利用前の状況と変化がわかる形にする
- 文章で説明している部分を、図や比較表にする
- 読まれていないブロックを削る、または後ろに移す
終盤(料金・FAQ・CTA)
- 料金を総額の目安がわかる形にする
- 申し込みから利用開始までの流れを追加する
- よく聞かれる質問をFAQに足す
- CTAボタンの文言を「押すと何が起きるか」がわかる形にする
フォーム
- 必須でない項目を削る、または任意にする
- 入力の例を項目の中に表示する
- エラーの表示を、入力した直後にわかる形にする
アイデアは一度にすべて試すのではなく、優先順位表で点数の高いものから1つずつ試していきます。
09よくある質問
LPOとLPの作り直しは、どちらを選ぶべきですか?
まずはLPOで改善できないかを試すのがおすすめです。ただし、商品の訴求の方向そのものを変える場合や、ページの構造が古く部分的な変更が難しい場合は、作り直したほうが早いこともあります。LPOの記録が残っていれば、作り直すときにも何を残し、何を変えるべきかが判断しやすくなります。
LPOにツールは必須ですか?
必須ではありません。アクセス解析ツールでの到達率の確認や、期間を区切った前後比較でも、LPOは始められます。訪問者が増え、細かな検証をしたくなってから、専用のツールを検討すれば十分です。
LPOの効果が出るまで、どのくらいかかりますか?
訪問者の数や変更の内容によって大きく変わります。訪問者が多いLPほど早く判断でき、少ないLPほど時間がかかります。期間で区切るか、一定の件数がたまるまで待つかを、テストを始める前に決めておきましょう。
10まとめ
- LPOは、今あるLPを改善してCVRを高める取り組み。広告費を増やさずに成果を伸ばせる
- 始める前に、計測、訪問者の数、問題がLPにあるかを確認する
- スクロール到達率、ヒートマップ、ボタンのクリック率、利用者の声で問題の場所を探す
- 1回に1か所、仮説を立てて変更し、結果を記録する
- 優先順位表で「影響・確からしさ・手軽さ」から取り組む順番を決める
LPOは、数字と仮説の記録を積み重ねてLPを少しずつ改善していく、地道な取り組みです。Lic.では、広告の配信データとLPの数字をあわせて見ることで、問題が広告側にあるのかLP側にあるのかを切り分け、改善の打ち手を決めることを大切にしています。
広告のクリックはあるのに、申し込みが増えない?
広告運用を前提に、離脱防止の設計までふくめたLPや、配信用の広告クリエイティブを制作します。公開後も、配信データをもとに改善を続けます。
- 離脱防止まで考えたLP制作
- 配信用の広告クリエイティブ制作
- 配信データをもとにした継続的な改善
まだ具体的に決まっていない段階のご相談も歓迎です。
参考
- Google オプティマイズ ヘルプ「Google オプティマイズのサービス終了について」 https://support.google.com/optimize/answer/12979939?hl=ja
- Microsoft Learn「Clarity Frequently asked questions」 https://learn.microsoft.com/en-us/clarity/faq





