広告文の書き方|読まれる5つの型と媒体別の例文

目次
広告文の書き方の基本は、「ほとんど読まれない」前提で、最初の一行に一番大事なことを置くことです。成果を分けるのは文章のうまさよりも、「誰に、何を、なぜ今、どうしてほしいか」を短く正確に伝えられるかどうかです。
キャッチコピーとの違いを押さえたうえで、書く前に埋める4つの要素、そのまま使える5つの型と例文、検索広告とSNS広告での書き分け、表示のルールで注意したい表現、添削の例を紹介します。
01広告文(広告コピー)とは
広告文とは、広告に添える文章のことです。検索広告であれば見出しと説明文、SNS広告であれば投稿の本文や見出し、バナーや動画の中のテキストなどが含まれます。
広告文の役割は、見た人に「自分に関係がある」と思ってもらい、クリックや申し込みなどの次の行動へ進んでもらうことです。広告文だけで商品のすべてを伝える必要はなく、遷移先のページに進んでもらうことが主な役割になります。
キャッチコピーとの違い
キャッチコピーは、ひと目で興味を引くための短い言葉です。一方の広告文は、キャッチコピーを含めた広告全体の文章で、より具体的に「何が得られるのか」「次に何をすればいいのか」まで伝えます。
| 項目 | キャッチコピー | 広告文 |
|---|---|---|
| 役割 | 目を止めて、興味を持ってもらう | 内容を理解してもらい、行動へ進めてもらう |
| 長さ | ひと言〜1行 | 数行(媒体の文字数の範囲内) |
| 求められるもの | 印象の強さ、言葉の新しさ | 具体性、わかりやすさ、遷移先との一致 |
ここからは、広告全体の文章をどう組み立てるかに絞ります。
02広告文は「ほとんど読まれない」前提で書く
検索結果やSNSのフィードで広告を見る人は、広告をじっくり読もうとはしていません。多くの人は最初の数語を見て、自分に関係があるかどうかを一瞬で判断します。
そのため、広告文では次の2つを意識します。
- 一番伝えたいことを、最初の一行(最初の数語)に置く
- 後半は、最初の一行に興味を持った人が読む「補足」と考える
SNS広告の本文は、フィードでは一定の長さを超えると「もっと見る」で折りたたまれます。検索広告でも、表示される見出しや説明文の組み合わせは広告の表示枠によって変わります。どちらの場合も、最初に見える部分だけで意味が通るように書いておくことが大切です。
03書く前に埋める4つの要素
広告文を書き始める前に、次の4つを書き出しておきます。この4つが埋まっていれば、型に当てはめるだけで広告文の下書きができます。
| 要素 | 問い | 書き方の例(オンライン英会話の場合) |
|---|---|---|
| 誰に | どんな悩みや状況の人に向けた広告か | 仕事で英語を使う機会が増えた30代の会社員 |
| 何が得られるか | 商品を使うと、その人にどんな変化があるか | 会議で言いたいことを英語で伝えられるようになる |
| なぜ信じられるか | その変化が起きる根拠は何か | 業務の場面に合わせた教材、講師の選び方 |
| どうしてほしいか | 広告を見たあと、何をしてほしいか | 無料体験レッスンを予約する |
特に大切なのが「何が得られるか」です。商品の特徴(機能や仕様)をそのまま書くのではなく、それによって見る人にどんな変化があるのか(ベネフィット)に言い換えます。ベネフィットの見つけ方は「ベネフィットとは」で詳しく解説しています。
04そのまま使える広告文の5つの型と例文
ここでは、どの媒体でも使いやすい広告文の型を5つ紹介します。例文は、架空の商品・サービスを想定したものです。
型1:悩み呼びかけ型
見る人の悩みを最初に言い当てて、自分ごとにしてもらう型です。悩みがはっきりしている商材に向いています。
- 構成:悩みの呼びかけ → 解決策 → 行動
- 例文:「経費精算の締め日、毎月バタバタしていませんか。スマホでレシートを撮るだけで、仕訳まで自動で完了。まずは無料で試せます」
型2:ベネフィット先出し型
得られる変化を最初に言い切る型です。変化がわかりやすい商材に向いています。
- 構成:得られる変化 → 根拠 → 行動
- 例文:「朝の支度が10分短くなる。前の晩にセットしておくだけの、炊飯器でつくる朝ごはん。レシピ集を無料でプレゼント中」
数字を入れる場合は、実際に確認できる根拠があるものだけを使います。
型3:ターゲット指名型
「〇〇の方へ」と対象を指名して、関係のある人だけに止まってもらう型です。対象がはっきりしているBtoBや採用の広告に向いています。
- 構成:対象の指名 → 提案 → 行動
- 例文:「従業員30名以下の会社の、総務担当の方へ。勤怠・給与・年末調整をひとつにまとめる方法を、資料にまとめました」
型4:疑問・意外性型
見る人の思い込みに問いかけて、続きを読みたくなってもらう型です。
- 構成:問いかけ → 答えのヒント → 行動
- 例文:「広告費を増やしても問い合わせが増えない理由は、広告ではなくLPにあるかもしれません。よくある3つの原因をまとめました」
答えを隠しすぎると、内容のない広告に見えてしまいます。続きにどんな情報があるのかは、はっきり示します。
型5:オファー型
無料体験、特典、期間限定などのオファーを前に出す型です。すでに比較検討している人や、リターゲティングで再度表示する人に向いています。
- 構成:オファー → 条件 → 行動
- 例文:「初回の相談は無料です。オンラインで30分、今の広告アカウントを一緒に見ながら改善点を整理します」
期限や数量を示す場合は、実際の条件と一致させます。期限が過ぎても同じ表示を続けると、見る人の誤解を招きます。
型の選び方
| 見る人の状態 | 合う型 |
|---|---|
| 悩みはあるが、解決策を知らない | 悩み呼びかけ型、疑問・意外性型 |
| 解決策を探している | ベネフィット先出し型 |
| 対象がはっきりしている(BtoB・採用など) | ターゲット指名型 |
| すでに比較している、一度サイトを見た | オファー型 |
05媒体別の広告文の書き分け
同じ商品でも、媒体によって広告文の書き方は変わります。いちばん大きな違いは、見る人が「探している」のか「流し見している」のかです。
| 項目 | 検索広告 | SNS広告 |
|---|---|---|
| 見る人の状態 | 自分で検索して探している | フィードを流し見している |
| 最初に書くこと | 検索した言葉への答え | 目を止める悩みや変化 |
| 文字数の制約 | 見出し・説明文ごとに上限がある | 本文は長くも書けるが、途中で折りたたまれる |
| トーン | 簡潔で具体的 | 投稿になじむ自然な話し言葉 |
検索広告(リスティング広告)の書き方
Google広告のレスポンシブ検索広告では、見出しは半角30文字(全角15文字)まで、説明文は半角90文字(全角45文字)までで、見出しは最大15個、説明文は最大4つまで登録できます。登録した中から組み合わせが自動で選ばれて表示されるため、どの見出しと説明文が組み合わさっても意味が通るように書くことが大切です。
- 見出しには、検索された言葉(キーワード)を入れる
- 見出しごとに役割を分ける(サービス名、ベネフィット、根拠、オファーなど)
- 同じ意味の見出しを並べず、言い回しの違うものを用意する
- 説明文で、見出しで言い切れなかった根拠や条件を補う
架空の経費精算アプリを例にすると、次のように役割を分けられます。
- 見出しの例文:「経費精算アプリの無料トライアル」「レシート撮影で仕訳まで自動」「締め日の手戻りを減らす」
- 説明文の例文:「スマホでレシートを撮るだけで仕訳まで自動で完了。まずは無料でお試しください」
SNS広告の書き方
SNS広告は、投稿の文法に合わせて書くと広告っぽさが薄れ、見てもらいやすくなります。
- 本文の最初の一文で、目を止める悩みや変化を書く
- 折りたたまれる前の部分だけで、何の広告かがわかるようにする
- 見出し(リンクの下に出る短い文)には、クリックしたら何が得られるかを書く
- 画像や動画の中のテキストと本文で、同じことを繰り返しすぎない
同じ架空のアプリなら、SNS広告では次のように話し言葉に寄せます。
- 本文の例文:「締め日のたびに、レシートの山と格闘していませんか。スマホで撮るだけで仕訳まで終わるので、月末の作業がぐっと楽になります」
- 見出しの例文:「無料で試せる経費精算アプリ」
媒体ごとの広告文の細かいルールは「X広告とは」「Instagram広告とは」「TikTok広告とは」の各記事でも紹介しています。
06広告文で注意したい表現(景品表示法と媒体ポリシー)
広告文では、景品表示法をはじめとする表示のルールに注意が必要です。景品表示法は、商品の品質や価格などについて、実際よりも著しく優れている、または有利であると誤認させる表示を禁止しています。
特に注意したいのは、次のような表現です。
- 「No.1」「業界初」「日本一」などの最上級の表現
- 「必ず」「絶対」「誰でも」など、効果を断定する表現
- 根拠のない数字や、条件を省いた数字
- 実際には常に同じ価格なのに「今だけ」「期間限定」とする表示
消費者庁は2024年に「No.1表示」に関する実態調査報告書を公表し、No.1表示には比較の対象や調査の方法が適切であることなど、合理的な根拠が必要だという考え方を示しています。また、媒体ごとに独自の広告ポリシーもあるため、出稿前には各媒体の規定も確認します。
07広告文の添削例(Before / After)
ありがちな広告文を、4つの要素に沿って書き直した例です。
例1:特徴を並べただけの広告文
- Before:「高機能な会計ソフト。多彩な機能で業務をサポートします」
- After:「経理担当が1人の会社へ。銀行明細の取り込みから仕訳まで自動で、月末の作業時間を減らせます。無料で試せます」
- 直したところ:「誰に」を指名し、「高機能」を「何が楽になるか」に言い換え、最後に行動を加えました。
例2:言いたいことが多すぎる広告文
- Before:「安い・早い・高品質。サポートも充実で、実績多数。今なら特典もあります」
- After:「最短で翌日に納品。急ぎの案件にも対応します。まずは無料でお見積もりください」
- 直したところ:訴求を「早さ」の1つに絞りました。ほかの訴求は、別の広告として作り、反応を比べます。
例3:遷移先とずれている広告文
- Before:「たった3分で完了」(遷移先は、入力項目の多い申し込みフォーム)
- After:「入力は名前と連絡先だけ。担当者から折り返しご連絡します」
- 直したところ:遷移先で実際に起きることと一致させました。広告文とページの内容がずれていると、クリックされても申し込みにつながりません。
この例のように、広告文の問題に見えて、原因が遷移先にあることは少なくありません。クリック率は高いのに申し込みが少ないときは、広告文を書き直す前に、LPの冒頭やフォーム、申し込み後の案内が広告の約束と合っているかを確かめます。
08広告文の公開前チェックリスト
- 最初の一行(最初の数語)で、誰に向けた何の広告かがわかるか
- 商品の特徴ではなく、見る人に起きる変化が書けているか
- 訴求は1つに絞れているか
- 最後に、取ってほしい行動が書かれているか
- 数字や実績には、確認できる根拠があるか
- 最上級の表現や、効果を断定する表現を使っていないか
- 広告文の内容と、遷移先のページの内容が一致しているか
- 媒体の文字数の上限や、広告ポリシーを確認したか
- 検索広告では、どの見出しと説明文が組み合わさっても意味が通るか
09よくある質問
Q. 広告文は何パターンくらい用意すればいいですか
最初から完璧な1本を目指すより、型や訴求の違う複数のパターンを用意して、配信結果で比べるほうが確実です。まずは訴求の軸が違うものを数パターン作り、反応のよかった軸の中で言い回しを変えていくと、効率よく改善できます。ただし、パターンを増やすほど、結果の記録や遷移先の文言との照合にも手間がかかります。他業務と兼務している場合は、結果を記録できる範囲に本数を絞るほうが、検証が途切れません。
Q. 広告文とバナーの文言は、同じでいいですか
まったく同じにする必要はありません。バナーや動画の中のテキストで目を止め、広告文でその内容を補う、という役割分担にすると、限られたスペースを有効に使えます。ただし、訴求の軸はそろえておきます。
Q. 競合の広告文を参考にしてもいいですか
競合がどんな訴求をしているかを知ることは、自社の打ち出し方を考えるうえで役立ちます。ただし、文章をそのまま流用するのは避け、自社ならではの根拠や言葉で書くことが大切です。競合と同じことを言うだけでは、見る人に選ぶ理由が伝わりません。
10まとめ
- 広告文は、キャッチコピーを含む広告全体の文章で、次の行動へ進めることが役割
- ほとんど読まれない前提で、最初の一行に一番大事なことを置く
- 書く前に「誰に」「何が得られるか」「なぜ信じられるか」「どうしてほしいか」を埋める
- 悩み呼びかけ型・ベネフィット先出し型・ターゲット指名型・疑問型・オファー型を使い分ける
- 検索広告は検索された言葉への答えを、SNS広告は目を止める一文を最初に置く
- 最上級や断定の表現は避け、根拠のある具体的な言葉で書く
- 広告文と遷移先のページの内容を一致させる
Lic.では、広告文やクリエイティブを、遷移先のLPや導線とセットで設計することを大切にしています。広告で何を約束し、ページで何を見せるかをそろえると、クリックされたあとの成果も改善しやすくなります。
広告のクリックはあるのに、申し込みが増えない?
広告運用を前提に、離脱防止の設計までふくめたLPや、配信用の広告クリエイティブを制作します。公開後も、配信データをもとに改善を続けます。
- 離脱防止まで考えたLP制作
- 配信用の広告クリエイティブ制作
- 配信データをもとにした継続的な改善
まだ具体的に決まっていない段階のご相談も歓迎です。
参考
- Google 広告 ヘルプ「レスポンシブ検索広告について」 https://support.google.com/google-ads/answer/7684791?hl=ja
- 消費者庁「景品表示法」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/
- 消費者庁「No.1表示に関する実態調査報告書」(2024年9月公表) https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/survey/assets/representation_cms216_240926_02.pdf





