X広告のターゲティング設定|3つの分類と失敗しない組み合わせ方

目次
X(旧Twitter)広告のターゲティングでは、年齢や地域などの基本属性に加えて、キーワード、特定アカウントのフォロワーに似た人、会話のトピック、自社の顧客リストなど、多くの切り口で配信先を決められます。X広告は項目同士の組み合わせ方を誤ると、狙いたい人に届かなかったり、配信がほとんど出なかったりします。設定は「属性で土台を決め、興味の項目は足し算で広げる」「キーワードとフォロワーが類似を軸にする」「既存客の除外と、顧客リストの活用で無駄を減らす」の3つで考えると整理できます。種類と特徴、組み合わせのルール、目的別の設定例、絞りすぎを防ぐチェックリストを順に紹介します。
01X広告のターゲティングの全体像
X広告のターゲティングは、大きく次の3つに分けて考えるとわかりやすくなります。
| 区分 | 主な項目 | 役割 |
|---|---|---|
| 基本の属性 | 地域、性別、年齢、言語、デバイスなど | 配信してよい人の範囲(土台)を決める |
| 興味・行動の項目 | キーワード、フォロワーが類似、興味関心、会話トピック、イベント、映画・テレビ番組、エンゲージメントなど | 「いま関心がある人」を見つける |
| 自社のオーディエンス | 自社のフォロワー、カスタムオーディエンス(顧客リスト、サイト訪問者など) | 接点のある人に届ける、または除外する |
Xのビジネス向け公式ページでも、会話、イベント、興味関心、映画・テレビ番組、キーワード、フォロワーが類似、エンゲージメントにもとづいて配信できること、作成または共有されたカスタムオーディエンスを選べることが案内されています。
02主なターゲティング項目の特徴
基本の属性
地域、性別、年齢、言語、デバイスなどで配信の範囲を決めます。店舗型のビジネスなら地域、BtoBなら言語やデバイス(パソコンで見ている人など)が、とくに重要になります。
ただし、属性だけで絞ると「その条件に当てはまるすべての人」に届くため、関心のない人にも配信されます。属性は「配信してよい範囲」を決めるものと考え、関心のある人を見つける役割は次の項目に任せましょう。
キーワード
特定のキーワードを検索した人や、キーワードを含む投稿をした人・反応した人などに配信する項目です。「いま、そのテーマについて調べたり話したりしている人」に届けられるのが、X広告ならではの強みです。
キーワードは、商品名のような直接的な言葉だけでなく、悩みや状況を表す言葉も入れると広がりが出ます。たとえば会計ソフトなら、「会計ソフト」だけでなく「確定申告」「請求書 作成」「経理 ひとり」なども候補になります。
フォロワーが類似(フォロワーの類似オーディエンス)
指定したアカウントのフォロワーと興味関心が似た人に配信する項目です。公式ヘルプでは、キャンペーン設定のターゲティング欄で「フォロワーが類似」を選び、ユーザー名を追加して設定すると案内されています。
競合のアカウント、業界のメディア、ターゲットがよく見ている専門家やインフルエンサーのアカウントを指定すると、関心の近い人に届けやすくなります。フォロワー数の多すぎる総合的なアカウントを指定すると、関心がぼやけやすいので注意が必要です。
興味関心・会話トピック・イベント
Xがユーザーの行動から推定した興味関心や、特定の話題についての会話に参加している人、特定のイベント(スポーツの大会や季節の行事など)に関心がある人に配信する項目です。キーワードより広く、テーマ単位で配信先を広げたいときに使います。
自社のオーディエンス(カスタムオーディエンス)
自社の顧客リストやサイト訪問者など、すでに接点のある人に配信したり、配信から除外したりする項目です。
公式ヘルプによると、リストのカスタムオーディエンスには、メールアドレス、電話番号、ユーザー名、ユーザーID、モバイル広告IDを使えます。アップロードしたデータはXのアカウントと照合され、照合の処理には最大48時間かかることがあります。また、ターゲティングに使うには、照合できたXのユーザーが100人以上必要で、それより少ない場合は「オーディエンスが小さすぎます」と表示されて選べません。
顧客リストを使う場合は、利用目的の明示など、個人情報の取り扱いのルールに沿っていることが前提です。
03ターゲティングの組み合わせのルール:「または」と「かつ」
X広告のターゲティングで、もっとも誤解されやすいのが組み合わせのルールです。公式ヘルプでは、興味関心、フォロワーが類似、映画・テレビ番組、キーワード、会話トピックが「足し算(または)」のターゲティングとして挙げられています。イベントはこの一覧にないため、組み合わせたときの扱いは配信前に管理画面で確認してください。
| 種類 | 組み合わせ方 | 主な項目 | 効果 |
|---|---|---|---|
| 足し算(または) | どれか1つに当てはまれば配信対象になる | フォロワーが類似、興味関心、キーワード、会話トピック、映画・テレビ番組 | 項目を増やすほど、配信対象が広がる |
| 掛け算(かつ) | すべての条件に当てはまる人だけが対象になる | 地域、年齢、性別、言語、デバイスなどの属性 | 条件を増やすほど、配信対象が狭まる |
つまり、「東京都」「30〜44歳」という属性の条件を満たしたうえで、「キーワードAに関心がある人」または「アカウントBのフォロワーに似た人」に配信される、という構造になります。
よくある誤解
- 興味の項目をたくさん入れれば精度が上がる:実際は足し算なので、入れるほど対象が広がり、狙いがぼやける
- 属性を細かく指定するほど効率が上がる:掛け算なので、条件を重ねるほど配信対象が小さくなり、単価が上がりやすい
- 1つの広告グループに全部入れればいい:どの項目が成果につながったのかがわからなくなる
興味の項目は、性質の違うもの(キーワードとフォロワーが類似など)を1つの広告グループに混ぜず、広告グループを分けて比べると、どの切り口が効いているかが見えやすくなります。
04目的別のターゲティング設定例
| 目的 | 土台の属性 | 軸にする項目 | 除外 |
|---|---|---|---|
| 新規の問い合わせを増やしたい(BtoB) | 地域、言語 | 悩みのキーワード、業界メディアのフォロワーが類似 | 既存顧客のリスト |
| 店舗への来店を増やしたい | 店舗周辺の地域、年齢 | 地域の話題やイベント、関連キーワード | 既存の会員リスト |
| 新商品を認知させたい | 地域、年齢 | 興味関心、会話トピック、近いジャンルのアカウントのフォロワーが類似 | 特になし(広めに配信) |
| 検討中の人を後押ししたい | 地域 | サイト訪問者、広告に反応した人 | 成約済みの顧客 |
| 採用の応募を増やしたい | 勤務地の周辺 | 職種に関するキーワード、業界の専門家のフォロワーが類似 | 自社の社員アカウントなど |
設定例を使うときの注意
上の表は、あくまで考え方の例です。実際には、商材の性質や予算によって最適な組み合わせが変わります。最初は2〜3の切り口で広告グループを分けて配信し、成果を見ながら予算を寄せていきましょう。
05絞りすぎを防ぐチェックリスト
- 属性の条件(掛け算)を、必要以上に重ねていないか
- 広告マネージャで表示されるオーディエンスの推定規模が、予算に対して小さすぎないか
- 興味の項目は、性質ごとに広告グループを分けているか
- フォロワーが類似に指定したアカウントは、ターゲットとの関連が強いか
- キーワードに、商品名だけでなく悩みや状況の言葉も入っているか
- 既存顧客や成約済みの人を除外しているか
- 顧客リストは、照合後の人数が100人以上になっているか
- 自動で配信対象を広げる設定(最適化ターゲティングなど)を使うかどうか、意図して決めているか
06配信後のターゲティングの見直し方
ターゲティングは、配信してからが本番です。次の順番で見直しましょう。
1. 広告グループごとの成果を比べる:切り口ごとに分けておけば、どの項目が成果につながったかがわかる
2. 成果の良い項目に予算を寄せる:成果の悪い広告グループは、すぐに止めるのではなく、一定の件数がたまってから判断する
3. キーワードや指定アカウントを入れ替える:成果の良い切り口の中で、項目を足したり外したりして育てる
4. クリエイティブとの相性を見る:同じターゲットでも、広告文の型によって反応が変わる。ターゲティングだけで成果を判断しない
ターゲティングとあわせて広告文も見直す
ターゲティングの精度には限界があります。とくに最近の広告配信は、媒体のAIが反応しそうな人を見つけて届ける比重が大きくなっています。ターゲティングは土台として整えつつ、「誰に向けた広告か」が1行目で伝わる広告文をつくることで、狙った人に選ばれる確率を上げましょう。
切り口を分けると、作業も増えます。キーワードの軸とフォロワーが類似の軸では読み手の関心が違うため、広告文も切り口ごとに用意し、反応が落ちれば差し替えることになります。他の業務と兼務していると、最初の設定はできても、この差し替えと項目の入れ替えで止まりやすくなります。最初から広げず、続けられる数の切り口から始めるのが現実的です。
また、切り口ごとの成果はLPの影響も受けます。クリックは多いのに成果が少ない切り口は、ターゲティングが悪いのではなく、その人たちの関心とLPの冒頭が合っていないだけかもしれません。広告グループを止める前に、LP側のずれも確認しましょう。
07よくある質問
ターゲティングはどこまで絞ればいいですか?
予算に対して、配信対象が小さくなりすぎない範囲で絞るのが基本です。少額の予算でも、配信対象が小さすぎると同じ人に繰り返し表示されたり、配信が出なかったりします。最初はやや広めに設定し、成果を見ながら絞り込んでいきましょう。
競合のアカウントを「フォロワーが類似」に指定しても問題ありませんか?
フォロワーが類似は、指定したアカウントのフォロワーそのものではなく、興味関心が似た人に配信する機能です。競合のアカウントを指定することは一般的な使い方ですが、広告文で競合を名指しで否定するなど、誤解を招く表現は避けましょう。
顧客リストが100人に満たない場合はどうすればいいですか?
照合後の人数が100人に満たないリストは、ターゲティングに使えません。リストが小さいうちは、キーワードやフォロワーが類似などの項目を軸にし、問い合わせや会員登録を通じてリストを増やしていきましょう。
08まとめ
- X広告のターゲティングは、基本の属性・興味や行動の項目・自社のオーディエンスの3つに分けて考える
- 属性は掛け算(かつ)で狭まり、興味の項目は足し算(または)で広がる
- キーワードとフォロワーが類似は、「いま関心がある人」に届けるX広告ならではの軸
- 顧客リストは、照合後に100人以上で使える。既存客の除外にも活用する
- 切り口ごとに広告グループを分けて比べ、成果を見ながら予算と項目を育てる
ターゲティングは、設定して終わりではなく、配信しながら育てていくものです。Lic.では、Xを中心としたSNS広告の運用で、ターゲティングと広告文、その先のLPまでを一続きで設計し、検証を重ねることを大切にしています。
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参考
- X Business「Campaign creator」 https://business.x.com/en/advertising/campaign-creator
- X ヘルプセンター「Bidding and auctions FAQs」 https://help.x.com/en/business-and-advertising/bidding-and-auctions-faqs
- X Business「Interest and follower look-alikes targeting」 https://business.x.com/help/interest-and-username-targeting
- X ヘルプセンター「Custom Audiences」 https://help.x.com/en/business-and-advertising/custom-audiences
- X ヘルプセンター「List Custom Audiences」 https://help.x.com/en/business-and-advertising/lists





