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SNS広告のCPAを下げる順番|3指標の切り分けと逆効果の打ち手

SNS広告のCPAを下げる順番|3指標の切り分けと逆効果の打ち手
目次
  1. 01CPAは3つの数字の組み合わせで決まる
  2. 02CPAが高い原因を3つに分ける判断表
  3. 03CPAを下げるときの順番
  4. 04順番を誤ると悪くなる6つの打ち手
  5. 05打ち手を3つの数字に当てはめる
  6. 06CPAの先の数字も見る
  7. 07よくある質問
  8. 08まとめ

SNS広告のCPAを下げるには、CPAを配信単価、クリック率、遷移後の成約率の3つに分け、最も弱い場所から順に直します。全体の数字だけを見て予算や入札を動かすと、原因と関係のない修正になり、かえってCPAが悪くなることがあるからです。計算式の使い方、どこが弱いかの判断の仕方、順番を誤ると逆効果になりやすい打ち手を説明します。

01CPAは3つの数字の組み合わせで決まる

CPAは定義から、次のように分解できます。

  • クリック単価=配信単価(CPM)÷(1,000×クリック率)
  • CPA=クリック単価÷遷移後の成約率
  • したがって CPA=配信単価÷(1,000×クリック率×成約率)

配信単価が上がるとCPAは上がり、クリック率や成約率が上がるとCPAは下がります。

同じ20%でも効き方が少し違う

例:配信単価1,000円、クリック率1%、成約率2%のときの計算です。数字は説明のための仮のものです。

変えた数字配信単価クリック率成約率CPA
現状1,000円1.0%2.0%5,000円
配信単価を20%下げる800円1.0%2.0%4,000円
クリック率を20%上げる1,000円1.2%2.0%約4,167円
成約率を20%上げる1,000円1.0%2.4%約4,167円
クリック率と成約率を20%ずつ上げる1,000円1.2%2.4%約3,472円

計算上は、配信単価を下げるほうが少し大きく効きます。しかし、配信単価は競合やオークションの影響を受けるので、自社で直接決められる範囲は多くありません。実務では、クリック率と成約率を直して、その結果として配信単価が下がるのを待つ形になりやすいでしょう。

3つの数字は独立していない

計算式では別々に見えますが、実際には互いに影響します。

  • 反応の良い広告は、配信単価が下がることがある。Xのヘルプでは、広告の品質スコアと入札の組み合わせでオークションに勝つと説明されており、Metaも入札額、推定アクション率、広告の品質をあわせて評価するとしている
  • クリックを誘いすぎる広告は、クリック率が上がるのに成約率が下がることがある
  • ターゲットを絞ると、見込みの高い人に届く一方、配信単価が上がることがある

1つの数字だけを追うと、別の数字で同じ分を失うことがあります。判断の基準は、常に最終的なCPAに置きます。

02CPAが高い原因を3つに分ける判断表

一般に公開されている業界平均は、媒体、商材、時期の条件がそろわないことが多く、比較には向きません。最も信頼できる比較先は、自社の過去の数字と、同じ期間の他の広告です。

いちばん悪化している数字考えられる原因最初に試すこと
配信単価ターゲットが狭い、競合の増加、繁忙期、広告の反応が弱いターゲットと配置の制限を見直す
クリック率冒頭で止まらない、訴求が合わない、素材の疲れ切り口の違う素材を足す
遷移後の成約率広告とLPのずれ、LPの読み込み、フォームの負担、価格の印象広告の約束とLPの冒頭をそろえる
成約率が高いのに最終的な売上が伸びない成果地点の質、登録後のフォロー登録後の成約率を広告ごとに見る

比べる前に確かめる4つの前提

  • 計測は合っているか:成約の数が間違っていれば、成約率の計算も誤る
  • 件数は足りているか:少ない件数では、偶然の差と実際の差を分けられない
  • 期間はそろっているか:曜日や繁忙期の差が結果に混ざらないようにする
  • 変更の前後を分けたか:素材やLPを変更した日をまたいで平均すると、変化が読めなくなる

広告の管理画面だけでは、遷移後の成約率の理由までわかりません。LPのどこで離脱したか、フォームのどの項目で止まったか、LINEの登録後に反応があったかは別の場所にあります。広告ごとに流入経路を分けておくと、後から同じ期間で並べられます。

03CPAを下げるときの順番

順番は、次のように進めます。上の段が崩れていると、下の段の結果を正しく読めません。

順番確認すること理由
1計測誤った数字で判断しないため
2配信の安定学習が途切れた状態では比較にならないため
33つの数字のうち弱い場所関係のない修正を避けるため
4素材か遷移先の修正ここが最も差の出やすい場所のため
5入札と予算の調整良くなった状態を保って広げるため

入札や予算の調整を最後に置くのは、それだけでは広告や遷移先の弱さを直せないからです。

04順番を誤ると悪くなる6つの打ち手

どれも一般によく行われる打ち手ですが、やり方と時期を誤ると、CPAが上がったり、数字だけ良く見えたりします。

打ち手悪くなる理由先に確認すること
ターゲットを絞る配信単価が上がり、件数も減りやすい絞る根拠が成約のデータにあるか
入札の上限を厳しくする配信が減り、学習に必要な件数が集まらない素材と遷移先に改善の余地がないか
クリック率を煽りで上げる成約率が下がり、品質の評価も下がりうる広告の約束がLPと一致しているか
成果地点を手前に移す数字は安く見えるが、質が下がりうる移したあとの成約率を追えるか
数日の数字で設定を変える学習がやり直しになり、変動が続く件数が判断できる量にたまったか
予算を一度に増やす単価が上がることがある配信が落ち着き、受け皿の余力があるか

ターゲットを絞る

CPAが高いと、まず見込みの高い人に絞りたくなります。しかしMetaの費用に関するヘルプでは、オーディエンスが限定的すぎると、適切な人に届ける費用が高くなることがあると説明されています。配置や地域の不要な制限も同様です。成約データを見て明らかに外せる層はありますが、感覚で絞ると、配信単価を上げるだけに終わることがあります。

入札の上限を厳しくする

上限を下げれば単価も下がると考えがちですが、オークションで競り負ければ配信が減ります。Metaの案内では、目標コスト型の入札も目標の順守が保証されるわけではないとされています。Xのヘルプでも、費用は入札だけでなく、ターゲット、クリエイティブ、同じ人を狙う広告主の数で変わるとされています。入札は素材と遷移先を直したあとで調整しましょう。

クリック率を煽りで上げる

クリック率だけを目標にすると、表現が強くなりがちです。広告の中で過度に期待させると、LPとの差で離脱が増えます。Metaは、情報の出し惜しみ、扇情的な表現、エンゲージメントベイトを広告の品質を下げる要素に挙げています。

例:クリック率が1%から2%に倍増しても、成約率が2%から0.8%に下がれば、配信単価1,000円でCPAは5,000円から6,250円に上がります。数字は説明のための仮のものです。

成果地点を手前に移す

Metaのヘルプでは、学習が不十分な場合の対処の一つとして、より発生しやすいイベントへの変更が挙げられています。件数を増やすには有効です。ただし、CPAの計算の分母が変わるので、前のCPAとは比較できません。

例:購入ではなくLINE登録を成果地点にすると、1件あたりの単価は下がります。ただ、登録から購入に進む割合が低ければ、購入1件あたりの費用はかえって高くなります。

成果地点を移すときは、下の成果までの費用を同時に追います。

数日の数字で設定を変える

CPAが高い日があると、すぐに素材を止めたり予算を変えたりしたくなります。しかしMetaのヘルプでは、広告セットの一時停止や、最適化イベント、オーディエンス、クリエイティブの変更は大幅な編集とされ、最後の大幅な編集から1週間で約50件を学習の目安としています。TikTokのヘルプでも、一時停止や学習を再度発生させる編集を避けるよう案内しています。

短期の悪化で頻繁に触ると、比較できない数字が増えるだけになります。変更は日をまとめて行い、変更の日付と内容を記録しましょう。

予算を一度に増やす

CPAが下がると、すぐに予算を増やしたくなります。Metaのヘルプでは、通常の水準を大きく超える予算で費用が上がることがあるとされ、変更の前に学習期間を抜けることを勧めています。TikTokの学習期間のページでも、不適切な予算の設定を避けるよう挙げられています。

また、広告の数字が良くても、受け皿が追いつかなければ成約は増えません。電話の対応や商談の枠、在庫、LINEの返信の体制に余力があるかを確認してから増やします。

05打ち手を3つの数字に当てはめる

配信単価が高いとき

  • 不要なターゲットや配置の制限を外す
  • 似た広告セットをまとめて、学習に必要な件数を集める
  • 反応の弱い広告を入れ替える
  • 繁忙期の場合は、一時的な上昇なのかを過去の同じ時期と比べる

クリック率が低いとき

  • 誰のどんな場面の話かを、冒頭で伝える
  • 文字色などの細かな差でなく、切り口を変えた素材を足す
  • 媒体ごとの見られ方に合わせ、投稿に近い形を試す
  • 同じ人に繰り返し届いている場合は、素材を更新する

遷移後の成約率が低いとき

  • 広告の約束とLPの最初の画面をそろえる
  • スマートフォンでの表示の速さとボタンの押しやすさを確かめる
  • フォームの項目から、この段階で不要なものを外す
  • 価格や条件を先に伝え、LPの印象のずれをなくす

ここでよく起きる失敗は、広告の担当はLPのせいだと考え、LPの担当は広告の質のせいだと考えて、改善が止まることです。広告、LP、LINEの数字を同じ表に並べ、誰がどこを持つかを決めておくと、議論が事実から始められます。

06CPAの先の数字も見る

CPAは途中の指標です。安く獲得できても、成約しない申込が増えれば事業の成果は上がりません。問い合わせや登録を成果にしている場合は、広告ごとに次の数字まで追える形を作ります。

広告申込単価申込から成約の割合成約1件の費用
例:A3,000円10%30,000円
例:B5,000円25%20,000円

例の数字は仮のものです。申込単価ではAが安く、成約1件の費用ではBが安くなります。Aを残してBを止めると、CPAは下がりますが、成約の費用は高くなります。

この表を作るには、営業やLINEの結果を広告ごとに戻す必要があります。担当者が兼務している場合に、最も止まりやすい作業です。最初から細かく作らず、週1回、広告ごとの申込と成約の数を手で集計するところから始めても十分です。

07よくある質問

CPAはどのくらいの期間で下がりますか?

一律の期間はありません。修正の内容と件数によって変わります。素材や遷移先を変えたあとは、件数がたまるまで大きな変更を控えて比べましょう。短期の変動で判断すると、改善の効果を読み誤ります。

まず素材とLPのどちらを直せばいいですか?

3つの数字のうち、過去や他の広告と比べて最も弱いものから直します。クリック率が低ければ素材、クリック率は保てていて成約率が低ければLPが目安です。同時に大きく変えると、何が効いたのか読めません。

媒体を変えればCPAは下がりますか?

商材と媒体が合っていなければ下がることがあります。ただし、計測や遷移先に問題がある場合、媒体を変えても同じ問題が残ります。先に3つの数字で原因を切り分けましょう。

目標CPAに届かないときは、配信を止めるべきですか?

原因を切り分け、修正の余地がなくなってから判断します。修正を試しても許容できる範囲に届かない場合は、配信を止めるか、成果地点や媒体を見直します。

08まとめ

  • CPAは配信単価、クリック率、遷移後の成約率に分けて、最も弱い場所から直す
  • 3つの数字は互いに影響するので、最終的なCPAで判断する
  • 順番は計測、配信の安定、弱い場所の特定、素材と遷移先の修正、入札と予算の調整
  • 絞り込み、入札の上限、煽り、成果地点の移動、頻繁な変更、予算の急増は、順番を誤ると逆効果になる
  • CPAの先にある成約1件の費用まで追うと、本当に残すべき広告が見える

Lic.では、広告の数字とLP、LINEの反応を分けずに読み、成約までの導線としてCPAの改善を考えています。

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参考

Lic. 編集部Lic. Journal Editorial

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