LINEステップ配信のシナリオ設計|6つの手順と通数の考え方

目次
LINEのステップ配信のシナリオは、ゴールを1つに決め、登録した人の迷いが解ける順番にメッセージを並べ、止める条件まで決めて作ります。何通送るかを先に決めるのではなく、申し込みまでに答えるべき疑問の数から通数を決めるのが基本です。料金は送信回数に友だち数を掛けて試算し、上限を超えると配信が止まる仕様も踏まえます。設計手順、登録直後からの流れの例、通数の試算、ブロックを増やさない注意点を説明します。
01ステップ配信の仕様は、設計の制約として読む
ステップ配信は、開始条件に当てはまった人へ、用意した順番と間隔でメッセージを自動配信する機能です。LINEヤフーのマニュアルにある主な仕様を、設計の視点で整理すると次のようになります。
| 公式マニュアルの仕様 | 設計での意味 |
|---|---|
| 開始条件は友だち追加またはオーディエンス | 友だち追加の起点だけでなく、行動を起点にしたシナリオも作れる |
| 友だち追加を条件にするとき、追加経路を選べる | 広告ごとの入口に合わせて流れを分けられる |
| ステップ間の待ち時間は1〜30日 | 間隔は日単位で考える |
| 分岐条件は性別、年齢、OS、エリアの属性またはオーディエンス | 自己申告の回答で分けたいときは、別の仕組みが必要になることがある |
| 1ルート10ステップ、1シナリオ100ステップまで | 長く作りすぎない目安にもなる |
| ステップ配信の作成上限は50件 | 入口ごとに無計画に増やさない |
| 指定時間内に配信できなければ翌日の同じ時間に配信 | 3時間以上の幅をとることが推奨されている |
実際の友だち追加日とシステムの判定日がずれ、配信の進行が1日前後することもあるとされています。「ちょうど3日後の19時に必ず届く」前提で文面を書かないほうが安全です。「明日の夜に」のような時間を断定する書き方は避けます。
なお、2022年の機能追加で開始条件と分岐条件にオーディエンスを使えるようになり、クリックリターゲティングや追加経路オーディエンスなどを指定できます。過去のメッセージのクリック状況に応じて案内を変える設計も可能です。
02シナリオ設計の6つの手順
いきなり文面を書くと、伝えたいことを並べた宣伝の連続になりがちです。次の6つの順で進めると、後の修正が少なくなります。
手順1. ゴールを1つに決める
「資料請求」「来店予約」「個別面談の申し込み」など、シナリオの最後に取ってほしい行動を1つに決めます。ゴールが複数あると、各メッセージの役割がぼやけて、読者も迷います。
手順2. 入口ごとに読者の前提を書き出す
SNS広告から来た人と、店頭のQRコードから来た人では、知っていることが違います。入口ごとに、登録時点で読者が何を知っていて、何を期待しているかを書き出します。広告が複数ある場合は、広告の文面と特典もこの段階で確認します。広告だけ変えてシナリオが古いままだと、登録直後の数通が広告と話がかみ合わなくなります。
手順3. 申し込みまでに解消する疑問を並べる
営業担当者やチャットで実際に聞かれる質問を集め、検討の順に並べます。多くの場合、次の順序が自然です。
1. 自分に関係がある話か
2. どんな解決方法があるのか
3. なぜこの会社の商品なのか
4. 費用はいくらか、どこまで含まれるのか
5. 申し込むと何が起きるのか
この疑問の数が、そのまま通数の目安になります。疑問が3つなら3通で足りるかもしれません。
手順4. 1通に1つの役割を割り当てる
各メッセージに「読み終えた人にしてほしい行動」を1つだけ決めます。1通の配信は最大3吹き出しで、通数は吹き出しの数ではなく送信回数で数えるとLINEヤフーの料金プランのページで案内されています。話題が多い場合は1回に詰め込まず、役割で分けます。
手順5. 分岐と停止の条件を決める
ここは設計で漏れやすい部分です。次の3つを文面より先に決めます。
- 進む条件:リンクをクリックした人に、次の詳しい案内を送るか
- 分ける条件:検討段階や商品の種類で、どの時点から内容を変えるか
- 止める条件:申し込み済みの人、担当者が対応中の人をどう外すか
公式機能だけで足りない場合は、拡張ツールを検討します。ただし、ツールの導入は設計が固まってからで十分です。
手順6. 見る数字と見直しの日を決める
シナリオを公開すると、見直されないまま残りやすいものです。公開前に、見る数字と、見直す日をカレンダーに入れておきます。
| 確認する数字 | 下がったときに疑うこと |
|---|---|
| 各通の開封 | 配信の時間帯、1通前までの内容 |
| 各通のクリック | 案内の順番、リンク先との内容の一致 |
| ゴールの達成数 | 最後の案内、リンク先のページやフォーム |
| 経路別のブロック数 | 広告の約束とシナリオのずれ |
配信中にメッセージや分岐を変更すると、まだ条件を満たしていない人には新しい内容、条件を満たした人には古い内容が送られます。分岐の変更はバージョンとして記録されるため、いつ何を変えたかを記録しておくと、比較が楽になります。
03登録直後から14日間の流れの例
次の表は、例として、予約制の個人向けオンライン講座の無料体験をゴールにした場合の流れです。商材と日数は説明用の仮のものです。
| タイミング | 配信の役割 | 内容の例 | 読者にしてほしい行動 |
|---|---|---|---|
| 登録直後(あいさつ) | 広告の約束を果たす | 特典、これから届く内容と頻度 | 特典を受け取る |
| 1日後 | 自分ごとにする | よくあるつまずきを3つ紹介 | 当てはまるものをタップ |
| 3日後 | 解決方法を伝える | 独学と講座、それぞれ合う人 | 選び方のページを見る |
| 5日後 | 講座の違いを伝える | カリキュラムと進め方 | 詳細を見る |
| 7日後 | 不安を減らす | 費用の内訳、よくある質問 | 質問をチャットで送る |
| 9日後 | 行動を案内する | 無料体験の内容と申し込み手順 | 体験を予約する |
| 14日後 | 区切りをつける | 今後は月に数回の情報に変わることの案内 | 配信頻度の変更を知る |
分岐を足すなら1か所から
はじめから複雑な分岐を作ると、確認すべきルートが一気に増え、文面の修正も大変になります。最初は「9日後の案内をクリックした人」と「していない人」の1か所だけで分けるくらいが無理のない範囲です。
文面の例
```
【5日後の配信例】
ご登録ありがとうございます、{アカウント名}です。
前回は、独学と講座の違いをお送りしました。
今回は、講座の4週間でどこまで進むのかを1枚にまとめました。
▼週ごとの内容を見る
{リンク}
次回は、費用の内訳とよくある質問をお送りします。
```
次回の予告を入れると、読み続ける理由になり、シナリオ全体の見通しも示せます。ただし、配信が前後することがあるので、日時は書きません。
04配信数と料金の考え方
ステップ配信の費用は、機能の利用料ではなく、送った通数で考えます。
公式の料金プランと通数の数え方
| プラン | 月額固定費(税別) | 無料メッセージ | 追加メッセージ |
|---|---|---|---|
| コミュニケーションプラン | 0円 | 月200通 | 不可 |
| ライトプラン | 5,000円 | 月5,000通 | 不可 |
| スタンダードプラン | 15,000円 | 月30,000通 | 可 |
(LINEヤフー for Businessの料金プラン、2026年11月時点)
追加メッセージの単価は2026年10月1日に改定され、LINEヤフーの案内では月20万通までが1通3円、月20万通を超えた分が1通2.5円(いずれも税別)です。
料金プランのページでは、ステップ配信は通数の対象で、あいさつメッセージ、応答メッセージ、LINEチャットの送受信は対象外と案内されています。Messaging APIの料金のドキュメントでは、ブロック中のユーザーへの送信は通数に含まれないとされています。
通数の試算方法
ステップ配信の通数は、次の式でざっくり見積もれます。
月の新規友だち数 × シナリオの通数(あいさつを除く)+ 一斉配信の回数 × 配信対象の友だち数
例:数字は計算用の仮のものです。
| 項目 | 数字 | 通数 |
|---|---|---|
| 月の新規友だち300人 × ステップ5通 | 300 × 5 | 1,500通 |
| 一斉配信 月2回 × 友だち2,000人 | 2 × 2,000 | 4,000通 |
| 合計 | 5,500通 |
この例はライトプランの5,000通を超えます。実際はブロックや月をまたぐ配信で数字は動きますが、新規友だちの増加が広告で急に増えると、通数も同時に増える点が大事です。広告予算を増やす計画と、通数の見積もりは一緒に確認します。
上限を超えると、すべてのステップ配信が止まる
LINEヤフーのマニュアルでは、当月の通数上限を超えると、利用中のすべてのステップ配信が停止するとされています。再開にはプランや上限の変更が必要で、再開を押すと利用中のすべてのステップ配信が再開するため、再開したくないものは先に止めておく必要があります。
無料のコミュニケーションプランやライトプランには追加メッセージがありません。「月の途中で気づいたらシナリオが止まっていた」を避けるには、月の前半に通数の消化を確認する習慣をつけます。
拡張ツールの料金は別にかかる
Lステップなどの拡張ツールを使う場合は、ツールの料金に加えてLINE公式アカウントの料金も別にかかります。Lステップの料金ページでは、公式アカウントの料金は別途で、LINEヤフーから請求されると案内されています。回答に応じて流れを変えるなど、公式の分岐で足りないときに、費用と運用の手間を比べて決めます。
05ブロックを増やさないシナリオの注意点
ブロックは、通数よりも「期待と違う」ことで起きやすいものです。シナリオの作り方で防げる点を挙げます。
シナリオで起きやすい4つのずれ
- 広告の約束とのずれ:特典を約束したのに、1通目が会社紹介になっている
- 検討段階とのずれ:情報収集中の人に、2通目から申し込みを急かしている
- 状況とのずれ:申し込み済みの人に、申し込みの案内を送っている
- 頻度のずれ:シナリオの配信日に一斉配信が重なり、同じ日に複数の案内が届く
とくに最後の点は、シナリオと一斉配信の担当者が別々のときに起きがちです。キャンペーンを送る前に、シナリオの配信予定と重ならないかを確認します。
仕様から考える注意点
LINEヤフーのマニュアルでは、配信中にブロックされると配信は止まり、ブロック解除後は新規追加として扱われるとされています。解除した人にシナリオの1通目から改めて届く可能性があるため、古い案内が残っていないか定期的に見直しましょう。
ブロックの計測にも注意が必要です。分析マニュアルによると、経路別のブロック数は選択期間中に発生した数で、その期間に登録した人だけのブロック数ではありません。友だち期間が90日以上の人のブロックは「その他」に計上されます。経路の良し悪しを比べるときは、この仕様を踏まえて読みます。
公開前のチェックリスト
- [ ] 1通目で、広告やQRコードで約束した内容を渡している
- [ ] あいさつで、届く内容と頻度の目安を伝えている
- [ ] 全部の通に、読者が得られる情報がある
- [ ] 申し込み済みの人を外す方法がある
- [ ] 一斉配信と重なる日の扱いを決めている
- [ ] 日時を断定する文面がない
- [ ] リンク先がスマートフォンで動き、内容が案内と一致している
- [ ] 月の通数の見積もりと、上限を超えたときの対応を決めている
シナリオは公開してからが本番
シナリオは一度作れば自動で動きますが、内容は自動で新しくなりません。広告の訴求、LPの内容、料金、キャンペーンが変わるたびに文面の修正が発生します。他の業務と兼務する担当者の場合、配信は動いているのに、中身だけが古くなるという形で放置されやすいです。見直しの担当者と周期を、最初に決めておくと安心です。
06よくある質問
最適な通数と配信間隔はありますか?
公式に決まった正解はなく、検討の長さや商材によって変わります。LINEの仕様上、ステップ間は1〜30日の範囲です。解消すべき疑問の数から通数を決め、クリックやブロックを見て調整しましょう。
無料プランでも使えますか?
料金プランのページでは、ステップ配信も通数の対象として案内されています。無料プランは月200通までのため、登録が増えると上限に達しやすくなります。上限を超えるとステップ配信が停止するので、登録者数の見込みと合わせて確認します。
既存の友だちにも配信できますか?
開始条件に友だち追加を選ぶと、指定日以降に追加された友だちが対象です。すでにいる友だちにはオーディエンスを開始条件にする方法があります。過去の日付を指定しても、待ち時間は設定した時点から数えられるため、配信の時期に注意します。
途中で文面を変えると、配信中の人に影響しますか?
配信開始後の変更は、条件を満たす前の人には新しい内容が、すでに満たした人には古い内容が送られると案内されています。修正後の数字を比べるときは、変更日を記録しておきましょう。
07まとめ
- シナリオはゴールを1つに決め、解消する疑問の順番から通数を決める
- 分岐と停止の条件は、文面より先に決める
- 費用は「新規友だち数 × シナリオ通数 + 一斉配信分」で試算し、広告の増額と一緒に見直す
- 通数上限を超えると、利用中のすべてのステップ配信が止まる
- ブロックを増やさないために、広告の約束、検討段階、申し込み状況、頻度のずれを防ぐ
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参考
- LINEヤフー for Business「ステップ配信マニュアル」 https://www.lycbiz.com/jp/manual/OfficialAccountManager/step-message/
- LINEヤフー for Business「LINE公式アカウントの「ステップ配信」機能において、新たに「オーディエンス」を開始条件・条件分岐として設定可能に」 https://www.lycbiz.com/jp/news/line-official-account/20220214
- LINEヤフー for Business「LINE公式アカウントの料金プラン」 https://www.lycbiz.com/jp/service/line-official-account/plan/
- LINEヤフー for Business「【重要】LINE公式アカウント 追加メッセージ料金改定のお知らせ」 https://www.lycbiz.com/jp/news/line-official-account/20261001/
- LINE Developers「Messaging APIの料金」 https://developers.line.biz/ja/docs/messaging-api/pricing/
- LINEヤフー for Business「分析 - 友だちマニュアル」 https://www.lycbiz.com/jp/manual/OfficialAccountManager/insight_friends/
- Lステップ「料金プラン」 https://linestep.jp/lp/01/plan.html





